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いいじゃないか。






どんなに持てはやされて、ダンスを申し込まれても。






俺は、お前と一緒に踊ってみたいだけさ。







hat is your hope ?








現在スコールは大広間にいた。

自分の回りではワルツの音楽が止まる事無く流れている。

だがスコールは興味なさそうに、広間の隅でカクテルを飲んでいた。


SeeD就任パーティ。

今日終わったSeeD実地試験の合格者が早くも発表され、そしてすぐにパーティが開かれたのだ。

SeeD合格者はスコールを含めた5名。もちろん、セルフィやゼル、も合格している。

サイファーは合格出来なかった。当たり前と言えばそうなのだが、なんとなく不思議な気分になる。


スコールはカクテルを飲みながら、視線をダンス中のカップル達に巡らせた。

ぼんやりとしているからだろうか。カップル達も、流れてくる音楽も、全てが幻覚に思えてしまう。

今自分が立っている場所は、SeeD就任パーティの真っ只中。

自分が着ている服はSeeDの服。もう、夢のような感覚だった。

まだSeeDになったという感じがしない。夢から、すぐにでも覚めてしまうような気がした。

先ほど、ゼルとセルフィに話し掛けられた時のことを思い出す。

ゼルは「これからもよろしくな」と言い去って行った。セルフィは「文化祭委員、一緒にやらない?」と

聞いてきたのだった。SeeDの制服に身を包み、けれど可愛らしく聞いてくるセルフィはいつもと同じだった。

だが、あと一人、姿が見えない。

合格発表が終わり、SeeD認定証を受け取った後に別れたきりだ。

パーティはとっくに始まっている。なのに、の姿は見受けられなかった。

一体何をしているんだ、あいつは・・・と思考を巡らせながらも、あまり気にはしなかった。


が。





バタンッ!






「げっ!もうパーティ始まってんの!?」






広間の扉を勢い良く開ける音が響き、そしてその後に聞き覚えのある声が広間に響き渡った。

スコールは頭を抱えたくなった。

流れていた演奏も一時的に停止し、ダンス中だったカップル達も固まっている。

「・・・・あれ?あっ、ごめんごめん。俺に構わず続けてよ。」

ハハハと笑い飛ばす。だが、その爽やかさゆえに災いが降り掛かった。


「「「キャ〜〜〜〜vvvVVV 」」」


「えっ?えっ!?」

は戸惑う。

黄色い声の後に見たものは、自分の方へと駆け寄ってくる女子生徒達の群れ。

ダンス中だった女子生徒達も、彼氏を捨て置きこちらへ駆け寄ってくる。

は笑顔を引き攣らせた。

先輩っ!!私と是非一曲踊ってもらえませんかっ!?」(後輩)

「ちょっとどいてっ・・・。くん!一緒に踊ろう!?ね、いいでしょ!?」(同級生)

「きゃっ、押さないでよっ!くん、踊りましょう!先輩のお願い、聞いてくれるよね?」(先輩)

あっという間には女の子達に囲まれてしまった。動く事もままならない。

少しでも動けば、躓いて転んでしまいそうだ。

は心底困り果てた。

どうしよう。この場をどうしたら切り抜けられる?

助けを求めて、はスコールの姿を探す。けれど、スコールはシカトを決め込んでいる。

・・・あんの無愛想野郎がっ・・・(怒)

は笑顔のまま怒りを立ち上らせた。

そうして考えている間にも、女子生徒達の口論は続いている。

しかも、隙を見て自分に抱き付いてくる女子生徒までいる。

やめてくれ。女だって事がバレそうで怖い(ぇ

いや、バレる事はまずないだろうが、やはりビクビクしてしまう。


と、の視界に白いタイトドレスを着た女性が映る。

その女性は、何故だか知らないがスコールとを見比べている。

どちらと踊ろうか悩んでいるのだろうか?だとしたら、これはチャンスだ。

は女子生徒達の壁をくぐり抜け、その女性に近付いた。

女子生徒達は固まっている。まさか、自分達が捨てられるとは思わなかった。

「どうしたの?お嬢さん。ダンスのパートナー探しだったら、付き合うけど?」

営業スマイル0円。女性は少し困ったようにスコールとを見比べ、言った。

「う〜ん。一番かっこいいのはあっちの人だけど、あなたもルックス悪くないね。むしろかっこいいかも。」

スコール、なんだか知らんが“一番かっこいい”とかなんとか言われてるぜ。

くそっ。俺だって負けてなんかいないのにっ・・・・。

そう心の中で思っていたということは秘密である。

女性はニッコリと笑うと頷いた。

「うん、それじゃ、一曲お願いしようかな。困ってたんでしょ?女の子達から逃げられなくて。」

「あはは、やっぱりバレてたか。ここは俺を助けると思って、一曲よろしく。お嬢さん。」

は女性の手を取り、広間の中心まで歩いた。

そして、女性と向き合い曲に合わせて踊りだす。

クィック・クィック・スロー。綺麗にそろった二人のダンスは、他の者達を魅了した。

スコールも、その中の一人だった。


美しかった。まるで絵画の世界から抜け出してきたような、そんな美しさだった。

その二人の周りだけ時間が止まっていて、そんな空間で踊っているような雰囲気。


曲が終わり、二人は互いに礼をし合った。

そして別れると、は真っ直ぐスコールの方へと歩み寄ってくる。


「おい。」

「・・・・・・・。」

「お前、俺が助けを求めた時シカトしただろ。」

「・・・別に。気付かなかっただけだ。」

「いーやっ!!絶対にシカトしたね。一瞬目が合ったし!!」

スコールは全く気にしていないようにカクテルを飲んでいる。

は深い溜息をつくと、スコールの隣に立った。

そして、ウェイターが運んで来たカクテルのグラスを手に取る。

「そういえば、何で遅れたんだ?」

それがさぁ、とはしゃべり出す。

「俺の部屋に届いてたSeeDの制服が女もんだったんだよ。

もー、マジで信じられなかったね。どういうつもりだったんだか。

で、校長やらキスティス先生やらに相談しまくって、男の制服を用意してもらったってわけ。

だから遅れたんだよ。」

なるほど。これでが遅れた理由は理解出来た。

確かに、が女のSeeD服を着ているところなど想像したくもない。

「あ。」

が何かを思い出したように言った。スコールは見て見ぬフリをしている。

「なぁ、俺と一曲どうだい?スコール。」


ぶっっ


「うわっ!汚ぇっ!何してんだよ、スコール!!」

思いっきり噴き出したスコール。

咳き込み、むせる彼の背中をさすりながら、は顔を引き攣らせていた。

「げほっ・・・な、何を言い出すんだ、お前はっ・・・。」

「はぁ?俺、なんか変な事言ったか?」

「・・・俺と踊るとかなんとか言っただろ・・・。」

はポカンと口を開けた。

初めて知った。スコールは、もしかすると結構ナイーブなのかもしれない・・・。

今度はが噴き出す番だった。

腹を抱えて大笑いをするを横目に見て、スコールは溜息をついた。

は一頻り笑うと、笑顔でスコールに言った。

「いいじゃん。踊ろうぜ。俺が女役やってやるからさ。」

「お、おい・・・。」

は無理矢理スコールの手を掴むと、広間の真ん中へと移動した。

その二人の様子に、周りは呆気に取られている。

それもそうだ。皆、は男だと思っているのだから。

男が二人、広間の真ん中で何をする気だ?

そう思っているに違いない。


はスコールの手を取ったままスコールに向き直った。

「ちょっと待ってくれ。俺は踊れないんだ・・・・。」

スコールは咄嗟に嘘をついた。だが、はニッと笑ったままだ。

「だーいじょうぶだって。クィック・クィック・スロー。右、左、右。それだけだって。」

がリードして、二人は踊り出した。

スコールは急なことでステップが踏めずに戸惑っている。

他のカップルにぶつかったりしてしまっている。

ぶつかられたカップルは嫌そうな視線をスコールに投げ掛け、再び踊り出す。

「スコール。」

軽く叱咤するつもりではスコールの名を呼んだ。



スコールは重い溜息をついた。そして、真っ直ぐにを見つめ返す。

の体は急に引っ張られ、スコールの体を密着し合う。

顔を赤くせずにはいられなかった。

なんと、今度はスコールがリードして踊り出したのだ。

はそのことに驚きつつも、笑顔を漏らし、スコールに付いて踊った。

「なんだよ。踊れないなんて嘘じゃん。」

スコールは黙っている。

月明かりがガラスの天井から差し込む中、二人は踊り続けた。

傍から見れば、なんと奇妙な光景だったに違いない。

男が二人でダンスを踊っているのだから。


けれど、何故だか“変”だとは思わなかった。

むしろ、美しいとさえ思ってしまう。二人のダンスは、奇妙かつ美しいものだった。



花火が上がる。ダンス中のカップルはダンスを止め、花火を見つめた。

スコールとも同様に立ち止まり、花火を見つめる。




こうして、SeeD就任パーティは終わった。

楽しかった。思った以上に、色々な収穫があった。



明日から初任務。朝8時にガードレール前集合だ。






翌朝。

が目を覚ましたのは、朝早くのことだった。

まだなんとなく薄暗い外。だが二度寝をする気にもならず、は体を起こした。

昨日まではスコールと同室だった。けれどSeeDになった今、部屋は一人部屋の使用になっている。

ほんの少し寂しい気もするが、落ち込んでいる暇はない。

今日からSeeDの初任務。おちおちしていると、SeeDランクが下がってしまう。

思い切って窓のカーテンを開けた。太陽が少しだけ覗いている。

「ぃよし!」

声を出して意気込んでみる。

私服に着替え、昨日購買で買っておいたパンを食べる。

そして、部屋を後にした。





ガードレール前に行くと、既に皆集まっていた。

スコール、ゼル、セルフィ。そして、校長のシド。

「おっせーぞ!!」

ゼルが言った。は苦笑を浮かべながら、「悪い」と答えた。

が来たのを見計らい、シドが口を開く。

「早速ですが、任務の説明をします。」

その声に、全員が背筋を伸ばした。

「さて、初任務ですねえ。君達にはこれからティンバーへ行ってもらいます。

そこで、ある組織のサポートをする事が君達の任務です。

ティンバーの駅で組織のメンバーが君達に接触する手筈になっています。

その者は君達に話しかけてくる。『ティンバーの森も変わりましたね。』と。

その時、君達はこう答える事。『まだフクロウはいますよ。』

これが合い言葉になっている。あとは組織の指示に従いなさい。」

なるほど。任務の内容は理解出来た。

「スコール。君が班長です。状況に応じて的確な判断を下すように。

ゼル、セルフィ、。君達はスコールをサポートし、組織の計画を成功に導くように頑張りなさい。」


「「「了解」」」



いざ、ティンバーへ!!!





<続く>

=コメント=
なんかムリヤリな終わらせ方だぁ!(汗
しかもミッションの説明がイマイチメチャクチャだし。
はー・・・資料が足りない(涙
FF8やりたい〜〜〜〜!(TVゲームで)
たまには私もタイムアタックとかやってみようかな・・・。
ゴメンよ、月。まだ8は返せそうにないよ・・・。