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あの時より一歩強くなれた?第五章





三人は意を決してコルネオの館へ向かった。

扉の前へ来ると、門番の男が鼻の下をだらしなく伸ばして言った。

「おぉvvお友達の女の子もカワイコちゃん!それに二人もさっきとはかなり雰囲気が違うね!

さ、早く中へっv3名様、おはいり〜!!」

男が館の中に向かって叫んだ。その声は何故だか少し裏返っていた。

コルネオの館の中は、これまた悪趣味な飾りで施してある。

香水の匂いとタバコの匂いが混ざり合っていて、三人は思わず鼻を押さえた。

館内には受付があり、受付の男が手招きをしていた。

三人は受付に寄っていく。

「おネエちゃんたち、今ドンに知らせて来るからさ。ここで待っててくんな。」

男はそう言うと、階段を上って行った。が、何かに気付いたように振り返ると、

「あ、ウロウロしないでくれよ」

と言い残し、再び階段を上って行った。

男の姿が扉の向こうに消えると、エアリスが口を開いた。

「さ、今のうちにティファさんを探しましょ。」

「そうね。この館のどこかにいるはずだから。」

エアリスとはスタスタと先に行ってしまう。

クラウドは慌てて駆け出そうとした。だが。


ズルッ   ドタタッ!!


とエアリスは振り返る。そこには、自分のドレスにつまづいて思いきり転んだ、

なんとも情けないクラウドの姿があった。

「・・・もしもし?クラウド?」

「だ、大丈夫?」

クラウドは転んだまま呟いた。

「・・・・痛い・・・・。」

「ってか、普通自分のドレスにつまづいて転ぶ人なんていないわよ。」

エアリスが言う。

「くそっ。俺は男なんだっ!ドレスなんて着たことないんだぞ!」

「シーッ!シーッ!大声出すと、男の人が忍び込んでる事がばれちゃうって!」

が言った。クラウドは慌てて自分の口を押さえる。

エアリスはほんの少し噴き出し、クラウドに手を貸した。もクラウドの腕を持つ。

「よいしょっ・・・と。」

二人はクラウドを立たせた。クラウドは照れたように顔を赤く染め、ふいっとそっぽを向いた。

はクラウドの洋服に付いた埃をはらい、にっこりと笑う。

「さ、急ぎましょ。」

の声に、二人はしっかりと頷いた。




辺りを見回してみると、地下に下りる階段がある。

三人は階段を下りて行った。

下の方に人影が見える。間違いない。ティファだ。

エアリスは一気に階段を駆け下りると、ティファに近寄った。

ティファは気配に気付いて振り返る。

「えっと・・・、ティファ、さん?」

エアリスの問いに、ティファは首をかしげる。

「初めまして。私、エアリス。あなたの事、クラウドとから聞いているわ。」

「ああ・・・、あなた、あの二人と一緒に公園にいた・・・。」

ティファはやっと気付いたようにエアリスを見る瞳から緊張を解いた。

「ティファ!」

ティファがエアリスの後方の階段に目をやると、と見知らぬ女性が下りて来るのが見えた。

!無事だったのね!」

「ティファも無事でよかった・・・。怪我はない?コルネオに変な事されてない?」

ティファは笑顔で頷く。

「大丈夫よ。も怪我がなさそうでよかったわ。ねぇ、それより・・・。そちらの方、誰?」

エアリスとはキョトンとしてティファの指差す方を見る。

そこには、女装をしたクラウドの姿があった。

3秒ほどたった後、エアリスとは噴き出して顔を背ける。

「えっ!?どうしたの?二人共!なんで笑い出すの?」

「だ、だって・・・、ねぇ?・・・」

「う、うん・・・・、ねぇ?」

ティファは頭の上にクエッションマークを三つ並べている。

クラウドは顔を赤くして言った。

「エアリス・・・・・・いいかげんにしてくれ・・・。」

「?・・・その声・・・。」

ティファのクエッションマークが一つずつ消えてゆく。

「クラウドっ!?」

ティファは跳び上がった。まさかクラウドが女装して館に乗り込んで来るとは思わなかったのだろう。

クラウドの顔はますます赤くなった。

「そのカッコはどうしたの!?それよりどうしてここにいるの!?怪我はないっ!?」

ティファは今まで気になっていたことを全て言いきった。クラウドはため息をつく。

「そんなにいっぺんに質問するな。この格好は・・・ここに入るためには仕方なかった。

身体は大丈夫だ。エアリスに助けてもらった。それよりティファ、説明して欲しい。

こんなところで何をしているんだ?」

「オホン!私、耳塞いでるね。」

エアリスが気を利かして耳を塞いだ。

ティファはクラウド、と別れてからの事を話し出した。

五番魔晄炉から戻ったら、何やら怪しい男がうろついていたらしい。

その男をバレットが捕まえ、話を聞き出した。

その時に、ここのドン・コルネオの名前が出たそうだ。

バレットはコルネオなんて小悪党だから放っておけと言っていたが、

ティファにはどうしても気になって仕方なかったらしい。

「なるほど。コルネオ自身から話を聞こうって訳だな。」

ティファは頷いた。だが、一つ問題があるらしい。

「何とかここまで来たんだけど・・・。ちょっと困ってるの。

コルネオは、自分のお嫁さんを探しているらしいのよ。

毎日数人の女の子の中から一人を選んで・・・あの・・・その・・・。」

ティファはもぞもぞと動く。顔が少し赤い。

「と、とにかく!その一人に私が選ばれないと・・・今夜はアウトなのよ。」

ティファが言った時、すまなそうにエアリスが振り向いた。

「あの・・・聞こえちゃったんだけど。私思うんだけどさ、

その数人の女の子が全員あなたの仲間だったら問題ナシ、じゃないかな?」

「それはそうだけど・・・。」

「ここに三人いるわよ。」

エアリスはクラウド、、自分を指差した。

「ダメだエアリス!あんたを巻き込む訳にはいかない。」

エアリスはムッとして言う。

「あら?ティファさんやなら危険な目に合ってもいいの?」

クラウドはぐっと押し黙る。

「いや、ティファとは・・・・。」

クラウドが悩んでいると、ティファとが口を揃えて言った。

「「いいの?」」

どうやらクラウドの負けのようだ。エアリスは言った。

「私、スラム育ちだから危険な事に慣れてるの。あなたこそ、私の事信じてくれる?」

エアリスは意地悪っぽい笑みをティファに見せる。

ティファは少し笑って言った。

「ありがとう、エアリスさん。」

「エアリス、でいいわよ。」

その場が和やかな雰囲気になった時だった。

「お〜い!!」

階段の上から声が降ってきた。四人は振り返る。受付の所にいた男だ。

「お姉ちゃんたち、時間だよ。コルネオ様のお待ちかねだ!」

クラウドを抜いた三人は顔を見合わせ、しっかりと頷いた。

「はぁ〜ぁ・・・。ウロウロするなって言ったのに・・・。これだから近頃のお姉ちゃんたちは・・・。

早くしてくれよ!!」

男はため息混じりに言うと、その場を後にした。それを見計らってクラウドが言う。

「・・・聞くまでもないと思うけど・・・後の一人はやっぱり・・・俺・・・なんだろうな?」

女三人は顔を見合わせ、口々に言った。

「今更何言ってるのよ」

「言うまでも」

「ないでしょ?」

ちなみに。今のセリフは上から・ティファ・エアリスだ。

クラウドは思いっきりため息をついた。




地下室を抜け、館の入り口に戻ってきた四人は、上へと続く螺旋階段を上った。

中心にある扉の前で、受付の男が立っている。

「コルネオ様のお待ちかねだ。早く入ってくれよ。」

急かされるように言われ、四人はおずおずと部屋に入った。

部屋はまるでどこかの会社の社長室のような造りで、机には太った男が腰掛けていた。

社長室とは言っても、一般的に考えられる社長室とはほど遠いもので。

これまた悪趣味な赤いカーテンやらピンク色の電球やら。

おまけに臭い香水の匂いが充満してたりして。

「よ〜し娘ども!ドン・コルネオの前に整列するのだ!」

男が大声で言った。クラウド達はしぶしぶコルネオの前に並ぶ。

コルネオは四人を見て跳び上がり、言った。

「ほひ〜!いいの〜、いいの〜!どのおなごにしようかな?ほひ〜ほひ〜!」

コルネオは椅子から飛び降り、四人の前を行ったり来たりした。

「このコにしようかな〜?」

ティファの顔を見て言う。

「それともこのコにしようかな〜?」

クラウドの顔を見て言う。いや、クラウドは顔を背けていたが。

「いやいや、このコにしようかな〜?」

の顔を見て言う。

「ん〜迷うなあ〜?」

エアリスの顔を見て言う。

しばらくコルネオは行ったり来たりしていたが、やがて机の前に戻ってくると言った。

「ほひ〜!!決〜めた決めた!今夜の相手は・・・」

四人の間に緊張が走る。

「この超お上品なおなごだ!!」

コルネオはを指差して言った。

「えっ!?ちょ、ま、待ってください!」

「い〜や待たん!初めて見た時から決めていたのだ〜!いいの〜いいの〜。後はオマエ達にやる!!」

コルネオはの肩を持つと、部下達に言った。

部下達は、「ヘイ!!頂きやっす!」などと言いながら、クラウド達の手を掴んで行ってしまった。

「さ〜て、行こうかの〜?」

コルネオはいやらしくの肩を持ち直すと、奥の部屋へ進んでいった。

≪こ、ここで頑張らなくちゃだめ・・・。情報を聞き出さなくちゃいけない。

             でも・・・危なくなったらクラウド・・・。

                                助けに来てね・・・・・。≫






「ほひ〜vやっと二人きり・・・・。」

コルネオの香水臭いベットに無理やり座らされたは、

出来るだけコルネオを見ないようにしていた。

「さぁ、コネコちゃぁんv俺の胸にカモ〜ン!」

≪気色悪い事を言うなぁっ!この変態クソ親父ぃ〜!≫

は心の中でそう叫び、仕方なくコルネオの方を向いた。

「ほひぃ〜!照れなくても大丈夫。二人きりだよ・・・。」

そういう問題じゃないだろ、と心の中で突っ込み、はコルネオを見た。

「ほひ〜!何度見てもカワイイの〜vお・・・お前も俺の事、好きか?」

好きな訳がない。断じて好きになる訳がない。

心の中で必死に否定をしながら、けれどは情報を聞き出す事を忘れてはいなかった。

「・・・もちろん、ですわ。コルネオ様・・・・。」

コルネオはニヤニヤしながら言った。

「ほひ、嬉しい事言ってくれるのォ!!ほんなら、ナ、ナニがしたい?」

・・・・心底いやらしいと思った。

けれど情報を聞き出さないといけない。は心を決めた。

「あなたの、ス・キ・ナ・コ・ト・・・v」

語尾にハートマークを付ける事も忘れていない。既にコルネオはにメロメロになっていた。

「ほひほひ〜!た、堪らん!じゃあ、お願い・・・。チューして!チュー!!」

「え゛」

一瞬の思考回路は停止した。まさかキスを迫られるとは思わなかったのだ。

コルネオは呆然としているをベットの上に押し倒した。

「ちょっ・・・!!は、放して!」

「ん〜vうぶいの〜いいの〜v」

は必死に抵抗した。だが。

≪お、重い・・・・・・。≫

肥満気味のコルネオの体はびくともしなかった。おまけに今は剣をクラウドに預けてしまっている。

「では行きま〜すvンチュー・・・・」

コルネオの顔が近付いて来る。は涙を浮かべながら思った。

≪ど、どうしよう!!この状況じゃどうしようもないじゃない!!≫

コルネオはそんなことをが思っているとも露知らず、顔を近付けて来る。

は出来る限りの声で叫んだ。

「ク、クラウド―――――――――――――――――――!!!!!」

!!」

部屋の扉が勢いよく音を立てて開き、そこには男の姿に戻ったクラウドが立っていた。

「なっ!?オトコっ!?」

コルネオが驚きの表情で言う。はその隙を見逃さなかった。

「の゛ぉっ!!」

コルネオの鳩尾に思いきり蹴りを入れ、クラウドの元に走った。

「大丈夫かっ!?」

「うっ・・・クラウドっ・・・。」

はもう泣いている。

「こ、怖かったぁぁぁー!」

はクラウドに抱きついて大声で泣き出した。よほど怖かったのだろう。

いつもは気丈で強い彼女も、コルネオの気色悪さには敵わなかったと言う事だ。

クラウドはを抱き締めてやった。

「悪かった。助けに来るのが少し遅れた。もう大丈夫だ。」

コルネオは唖然としている。

「お、俺のコネコちゃんが・・・・。」

はいつお前のものになったんだ!勝手な事をぬかすな!!」

クラウドは激怒している。コルネオは大声で言った。

「侵入者だ!誰か!誰か!!」

だが誰一人として来る者はない。だが、女性の声がした。

「お生憎さま。あなたの子分は誰も来られないみたいよ。」

ティファとエアリスが部屋に駆け込んで来た。コルネオは再び驚く。

「お前達さっきの!?な、何がどーなってるの?」

「悪いけど質問をするのは私達よ。にもこんな目に合わせて・・・。許さないんだから。

手下に何を探らせてたの?言いなさい!言わないと・・・。」

「・・・切り落とすぞ。」

ティファの言葉を継ぐようにクラウドがドスの利いた声で言った。

ベットに片足をかけ、コルネオを睨みつける。

「や、やめてくれ!ちゃんと話す!何でも話す!!」

ティファが勝ち誇ったような笑みで「さ、どうぞ。」と言った。

コルネオはしぶしぶ話し出す。

「・・・片腕が銃の男のねぐらを探させたんだ。そういう依頼があったんだ。」

「誰から?」

さらにティファが問い返す。

「ほひ〜!しゃべったら殺される!」

「言いなさい!言わないと・・・」

「・・・ねじり切っちゃうわよ。」

今度はエアリスが言った。コルネオは慌てて両手を上げる。

「ほひ〜!神羅のハイデッカーだ!治安維持部門総括ハイデッカーだ!!」

「治安維持部門総括!?」

今度はクラウドが驚きの声を上げた。

「神羅ですって!?神羅の目的は何なの!?言いなさい!言わないと・・・

・・・すりつぶすわよ。」

最後はティファが締め括った。

急にコルネオの顔付きが変わった。

今までのふざけた顔付きとは違って、目がギラギラしている。

「ほひ・・・姉ちゃん・・・本気だな。・・・偉い偉い。

・・・俺もふざけてる場合じゃねえな。いいだろう、おしえてやるよ。

神羅はアバランチとかいうちっこい裏組織を潰すつもりだ。アジトもろともな。

文字通り、潰しちまうんだ。プレートを支える柱を壊してよ。」

「柱を壊す!?」

全員の顔が青ざめた。

「どうなるかわかるだろ?プレートがヒューッ、ドガガガ!!だ。

アバランチのアジトは7番街スラムだってな。この6番街スラムじゃなくて俺はホッとしてるぜ。」

「7番街スラムがなくなる!?クラウド、、7番街へ一緒に行ってくれる?」

「もちろんだ。ティファ。そうだろ?。」

「もちろんよ。」

三人は頷いた。用件が済めば、もうここは用無しだ。四人はコルネオの部屋を後にしようとした。

「ちょっと待った!」

コルネオが叫んだ。クラウドは振り向いて言う。

「黙れ!」

「すぐ終わるから聞いてくれ。

俺たちみたいな悪党が、こうやってべらべらとホントのことをしゃべるのはどんなときだと思う?」

意味のわからない質問をされて、四人は顔をしかめた。

が恐る恐る言う。

「・・・勝利を確信している時?」

「ほひ〜!あったり〜vv」

コルネオは側にあったボタンを押した。すると、達の足元がパカリと開き、

達は穴の中に落ちていった。

「きゃぁぁぁっ!!!」

、ティファ、エアリスの悲痛な叫びを耳にして、コルネオはニヤニヤと笑っていた。





その頃神羅カンパニーでは、プレジデントが今回の作戦の予定表を見て笑っていた。

「7番街を破壊。アバランチの仕業として報道する。神羅カンパニーによる救助活動。フフフ・・・完璧だ」

プレジデントの呟きが、部屋の中に響き渡っていた。



<続く>



=コメント=
うーわー。また長くなっちゃったよ、スミマセン〜。
でもFFZって書くのが楽しくって!(おい
他のも更新しないといけないのに・・・。
いっそのことFFZだけ移転しちゃおっかなー
なんて考えている今日この頃。
リニューアルしたいな〜。(おいおいおい