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あの時より一歩強くなれた?第四章





クラウドとは五番街の道具屋でアイテムをそろえ、五番街ゲートへ向かった。

五番街ゲートの向こうは六番街だ。

六番街を越え、七番街へ抜ける。そうすればティファの店はもうすぐだ。

クラウドとは五番街ゲートの前で立ち止まった。

二人の顔は引き攣っている。

「お早い出発ねっ!」

「「エアリス・・・・」」

二人は脱力した。せっかくエアリスに気付かれずにここまで来たつもりだったのに、

エアリスは堂々とゲートの前で仁王立ちをしていた。

「危険だとわかっているのに、エアリスの力を借りる訳にはいかないわ。

私達なら大丈夫。戦闘にも慣れているし、六番街を越えるだけだもの。」

「言いたいことはそれだけ?ティファさんのいる七番街へは、この先のスラム、

六番街を通らないといけないの。私が案内するわ。さ、行きましょ。」

エアリスは少し怒っているようで、武器のロッドを構えてスタスタと先に行ってしまった。

慌ててクラウドともその後を追う。



六番街は確かに危険な場所だった。
 
見た事もなく、強いモンスターと何度も遭遇した。

クラウドとエアリスは打撃攻撃で攻め、もちろんも打撃攻撃で攻めた。

だがはチームの回復役も担当した。

回復呪文のケアル系の呪文が使えるのはだけなのだ。

いや、回復マテリアを持っているのがだけ、と言った方が正しいだろうか。

クラウドとエアリスが危うくなると、はすぐさまケアルで回復した。

何度もそんな事が繰り返され、の魔力が尽きた時、やっと六番街の公園に辿り着いた。

六番街の公園の奥が七番街ゲートだ。

「やっと着いたね。この奥に七番街ゲートがあるの。」

「わかった。じゃあ、ここで別れようか。一人で帰れるか?」

クラウドの質問に、エアリスは少し考えた。

「いや〜ん、帰れない〜!!って言ったらどうするの?」

エアリスらしい言い方だ。クラウドは少し困った表情になる。

「私が送ってくわ。」

が軽く手を上げながら言った。

もうエアリスの言い方に慣れたようで、呆れている。

「ありがとvでも、少し休まない?」

エアリスは二人の答えを聞かずに駆け出した。

公園にある大きめの滑り台の上によじ登る姿を見て、クラウドとは安著のため息をもらした。

「懐かしいなぁ〜。この公園、この滑り台・・・。まだあったのね・・・。」

「エアリスはここに来た事があるの?」

「うん。ずいぶんと昔の話だけどねー。」

エアリスは滑り台の上に座り込み、空を見上げた。

クラウドとも滑り台に近寄り、空を見上げた。

その時だった。

大きな七番街ゲートがゆっくりと開かれた。三人はゲートへと目をやる。

チョコボ車が出てきた。別にそれだけなら何も驚かなかっただろう。

「「・・・ティファっ!?」」

とクラウドが同時に叫んだ。

チョコボ車に乗っていたのは、見間違えをするはずもないティファだった。

紫色の色っぽいドレスを着ていて、何やら考え事をしているようだった。

「あれに乗っていた人がティファさん?どこに行くのかしら?それに様子が・・・変だったわね。」

エアリスは滑り台から飛び降りると、チョコボ車の向かった先へ走って行った。

「待て!俺達だけでいい!あんたは帰れ!!」

慌ててクラウドが制したが、エアリスは聞く耳を持たずに路地の向こうに消えて行った。

「・・・ダメね、エアリスはああいう女の子なのよ・・・。」

トイレ口実脱出ミッションで嫌と言うほどエアリスを解析したが言った。

クラウドはため息をつく。とにかく、今はエアリスを追わねばならない。

ティファが何故あのような格好をしていたのか、何故チョコボ車に乗っていたのか。

それは、エアリスに追い付かねば考えられない。

クラウドとは、仕方なくエアリスの後を追った。




チョコボ車の向かった先はウォールマーケットだった。

エアリスがウォールマーケットの入り口で立っている。

「ここ、色んな意味で怖いとこよ。特に女の子にはね。早くティファさんを探しましょ。」

エアリスが言った。

こうなってはエアリスを連れて行かない訳にはいかない。

クラウド達はウォールマーケトの中を歩き始めた。

「蜜蝋の館」という派手な建物を見つけ、三人は立ち止まる。

「いらっしゃい!!もてない君でも、ここ蜜蜂の館でなら運命の彼女に出会えるはず!!あなたも彼女探しですか?」

クラウドは首を横に振って言った。

「ティファという子を知らないか?」

「おっ、あなた、聞き耳早いですねえ。ティファちゃんはムチムチの新人さんだよ。

でも、残念です。ティファちゃんは今面接中。蜜蜂の館の習わしでね。

新人の子はドン・コルネオの屋敷に連れてかれるんだ。

ドン・コルネオは有名な独身貴族。そろそろ身をかためるってんでおヨメさん探しに熱心でねえ。」

三人は仕方なく蜜蝋の館から離れた。

「ドン・コルネオ・・・ねぇ。なんだか下品なオジサンみたい。」

が頭をかきながら言った。その意見にエアリスが頷く。

「とりあえず、そのドン・コルネオの屋敷に行ってみましょ。」

エアリスの意見に反論を持つ者がいる訳がなく、三人はコルネオの屋敷に向かった。




コルネオの屋敷の前で三人は立ち止まる。

趣味の悪い香水の匂いがプンプンする。

「なんだ?お前ら・・・。ん?よく見たら きれいな姉ちゃん達も一緒!」

コルネオの屋敷の門の前に立っている男が言った。

どうやら屋敷の門番みたいだ。男は鼻の下を伸ばしながら言った。

「ね、どう? うちのドンと楽しい一時を過ごしてみない?」

あからさまに下心のある顔だ。

クラウド達は一回男に背を向け、話し合いを開始した。

「私が行って来るわ。中にティファさんがいるんだもの。ティファさんにあなた達の事話してきてあげる。」

すぐさまクラウドが却下した。

「ダメだ。」

「どうして?だったらどうするのよ。私とで行って来ようか?」

「もっとダメだ!」

クラウドは首を思いきり横に振る。

「だったら本当にどうするつもり?クラウドも入る?」

「俺は男だからな。無理矢理入ったら騒ぎになってしまう・・・。

かと言ってエアリスとに行かせる訳には・・・いや、しかし・・・。

まず、ティファの安全が 確認できな・・・何がおかしいんだ? エアリス?」

色々と考えていたクラウドがふとエアリスを見ると、エアリスは必死に笑いを堪えている。

よく見てみると、も隣で肩を震わせている。

「??」

クラウドは何が何だかわからない。すると、エアリスが言った。

「クラウド、女の子に変装しなさい。それしかない、うん。」

次の瞬間、は腹を抱えて笑い出した。クラウドは呆然としている。

「うん!私もそれしかないと思うっ・・・。で、でも・・・あはははっ!!」

クラウドは顔を真っ赤にした。エアリスは門番の男に「綺麗な友達を連れてくるから」と言い、

クラウドとの手を引っ張ってその場を立ち去った。




あちこちでクラウドの女装のためのアイテムを手に入れ、残るはアクセサリーとドレスだけとなった。

ドレスは今作っている最中だと言う。

クラウドは蜜蝋の館の前で言った。

「・・・ここに女装に必要な何かがある。俺にはわかるんだ。」

エアリスはムッとした顔になって、クラウドの背中を力一杯つねった。

「う゛・・・・。」

「ふぅん、そうやって誤魔化すつもり??」

エアリスの視線が痛い。エアリスはどうあってもクラウドを中に入れたくないようだ。

すると、が言った。

「・・・私が入ってくるわ。クラウドが女装するんだし、私も男装してみたいなぁと思うんだけど。」

クラウドとエアリスの目が点になったのがわかった。

でも、エアリスは納得したように頷いている。

「それがいいわ。なら何かあっても上手くかわせそうだし、

って美人だから男装してもかっこよくなりそうvv」

「それじゃ決まりね。洋服屋に一回戻って、男の子用の洋服を借りるわ。」

エアリスとは、反対の意見を曲げないクラウドを引き摺りながら洋服屋に歩いて行った。

洋服屋に入ると、店員がクラウド女装用のドレスを手渡してくれた。

そこでを男装させたいという事を告げると、店の奥から洋服を出して来た。

「こんなのでどうだ?旅衣装だが、あんたが着れば完璧だ。」

その服は全体的に茶色の旅衣装で、少しだぼついた余裕のあるズボンに皮のチョッキだった。

頭にはこげ茶色のハチマキを付けるそうだ。

とクラウドはそれぞれ試着室に入り、それぞれの衣装に着替えて出てきた。

「うわぁっvv二人共よく似合ってる〜vvクラウドはもう女の子になってるし、

も超カッコイイ男の子よ!どこからどう見ても絶対ばれないわv」

クラウドは顔を赤に染めて俯いている。

紫色のシルクのドレスに、頭にはブロンドのカツラを付けている。

はにっと笑ってガッツポーズを決めた。

もともと綺麗な顔立ちのため、とても良く似合っている。

頭に巻いたハチマキがアクセントになっている。

「それじゃ、は蜜蝋の館から帰って来たらドレスに着替えるのね。」

「うん。あ、喋り方を何とかしないとだめね。私もクラウドも。」

「それじゃ、クラウドとで会話をしましょ。

もちろんクラウドは女の子に、は男の子になりきってね。」

クラウドとは向かい合った。クラウドはもうユデダコのようだった。

「・・・よく似合っているぞ。クラウド。」

「あ、あなたこそ・・・よく似合って・・・い、います・・・わ・・・。・・・。」

「ダメだ。まだ大分ぎこちない。こんな事ではすぐにばれるぞ。」

「わ、わかってる!い、いや、わかって・・・いますわ・・・。」

「はぁ・・・まだまだだな、クラウド。修行が足りないぞ。」

「そ、そんな事言っても仕方ないだろう!!あ、いや・・・・。仕方ないでございましょう・・・?」

はため息をついた。

「ダメだ・・・。エアリス、私が戻ってくるまでにクラウドをちゃんと女の子にしといてねvv」

「もっちろん!!ちゃんと女の子にしとくわv」

クラウドの顔が青ざめたのは言うまでもない。




「さてと・・・。」

は蜜蝋の館の前で深呼吸をした。

「あの、お客さま。ここ蜜蝋の館は会員制でして・・・。会員証をお持ちでない方はお引取りを・・・」

「通してくれないか。」

好都合だった。蜜蝋の館の前に立っていたのは男の店員ではなく、女の店員だったのだ。

相手が女ならば、口説き落として入る事が可能だと思ったのだ。

案の定、女の店員は顔を赤く染めた。

「いや、あの、でも・・・しかし・・・」

「なんなら、俺の相手は君でもいいのだが?」

店員は俯いた。

「〜〜〜〜っ、お通り下さいましっvvv」

「ありがとう」

にっこりと微笑んで中に入る。ちらりと後ろを振り返ると、店員はうっとりとのことを見ていた。



「ポッ・・・★ お客さん★お、お部屋を選んでねっ★・・・・vvv」

蜜蝋の館案内役であろう女性は、頬を赤く染めながら言った。

「そうだな・・・。この部屋は空いているのか?」

「はいっ★カギがかかっていなければ空いている証拠ですわv」

「では、ここの部屋にしよう。」

は部屋に入った。ピンク色に囲まれた部屋だった。

「お客さぁんvお・ま・た・せvv」

女性が入ってきた。は女性に向き直り、笑顔を見せた。

「急に悪いんだが、君に頼みがあるんだ。」

「頼み・・・ですか?」

は出来るだけ気取るように努めた。

「実はもうすぐ俺の彼女の誕生日なんだが・・・、何かアクセサリーをプレゼントしようと思うんだ。

だが、男の俺はまるっきりセンスというモノが無くてね。だから君からアドバイスを聞きたいんだ。

何か女性が喜びそうなアクセサリーをくれればそれが一番ありがたいんだが・・・。」

「えっ★そうですねぇ〜・・・そ・れ・じゃvこんなのどうでしょうv」

女性は自分のポケットからキラキラと輝くネックレスを取り出した。見事な輝きである。

はそのネックレスを女装したクラウドが身につけているところを想像してみた。

・・・・・・恐ろしく似合う・・・・。

「見事だな。それは、俺がもらってしまってもいいのか?」

「・・・・★あなたの頼みなら・・・・★」

「なら、ありがたく頂く事にするよ。今日はありがとう。それじゃ。」

はもう一度にっこりと笑顔を見せると、その部屋を出て行った。

残された女は唖然としていて、小さな声で呟いた。

「お客さん・・・今夜私の相手をしてくれるんじゃないの・・・・?」





「おっかえり〜vvv何か手に入った?」

「バッチリvほら、こんなの手に入れたよ!」

洋服屋に戻ったは、エアリスに先ほどのネックレスを手渡した。

エアリスの瞳はキラキラと輝いている。

「うわっ、ちょっと最高vvこれ、クラウドが女装し終わったら私がもらってもいい?」

「構わない・・・構わないから、早くこんな事終わらせてしまおう・・・・。」

クラウドが言った。どうやら大分エアリスに仕込まれたらしく、相当落ち込んでいるようだ。

「それじゃ、私もドレスに着替えるから待ってて。」

はたくさんあるドレスを眺め、一着のドレスを取り出した。

淡い夕日色のドレスで、全体的にシンプルなデザインだ。

露出度は極めて低く、上品な香おりを漂わせている。

は試着室に入り、そのドレスを着て出てきた。

クラウドもエアリスも言葉を失った。

「・・・・ちょっと・・・待ってくれ・・・・。」

「どっかの豪邸の・・・お嬢さまみたい・・・。」

は照れ隠しにちょっぴり笑うと、クルッと一回転して見せた。




目指すはドン・コルネオの屋敷。ティファの元。



<続く>


=コメント=
なんか書いてて楽しーよ!FFZ(笑)
しばらくはFFZばっかりになるかもぉ・・・。
そんなの嫌ですか?(ヲイ)
嫌なら他のも更新します〜!