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あの時より一歩強くなれた?第二十八章
ハイウィンドはコレルへと向かっていた。
もちろんは、ヒュージマテリアを手に入れるために自分が行くつもりだった。
だが、シドがそれを止めた。
「いちいちあちこちを回るよりも、それぞれのメンバーで行った方が早いと思うぜ。」
とのことだった。確かにシドの言う事も一理ある。
そして何より、皆はに無理をさせたくなかったのだ。
現在の精神状態は不安定だ。クラウドを失った事で、かなりのショックを受けているに違いない。
だから、無理をさせたくなかった。
コレルにはシドとバレットが、コンドルフォートにはケット・シーとレッド13が向かった。
は自分も行くと言ったが、全員一致の意見でヴィンセント・ユフィとともにハイウィンドで留守番となってしまった。
だが、何をしていいのか全くわからない。
自分は今、何をするべきなのだろうか?
本当ならば、ヒュージマテリアを取りに行く予定なのだが、皆に止められてしまっては仕方がない。
とはいえ、暇過ぎる。
自分は今、何をするべきなのだろうか?
本当に自分は、リーダーとなるべき者だったのだろうか?
クラウドはどうしているだろうか?
ティファは、クラウドの傍でどんな思いでいるのだろうか?
疑問ばかりが浮かんで、そして消えた。
リーダーの役目を引き受けたのはいいものの、これではまるでリーダーの仕事を放棄しているかのようだ。
そんな自分が腹立たしかった。
クラウドを助ける。そう決めたはずなのに、自分は仲間に頼りっぱなしで何にもしていない。
自分は甘えているのだろうか?いや、そんなつもりはない。けれど。
何をしたらいいのか、さっぱりわからなかった。
「・・・パイロットさん。ミディールへ向かってください。」
「あ、あわわ!み、ミディールですか?りょ、了解しました!」
は苦笑する。
新米パイロットは、まだ手つきが慣れていない。
少々不安な気はするものの、シドの指導を受けたパイロットならば大丈夫だろう。
はそう考えていた。
「クラウドの様子を見に行くのか?」
後ろからヴィンセントの声がした。は振り向く。
「うん。とりあえず、ティファにもヒュージマテリアのこと、話した方がいいと思うしね。」
ヴィンセントは頷いた。
ハイウィンドはミディールへと向かう。
ミディールへ到着し、村へ入るとほぼ同時に老人に話し掛けられた。
「どうじゃ、兄ちゃんの具合は?可哀相にのう。余程辛い目におうたんじゃろうになあ・・・。
早くようなると、ええのう。こんな時だからこそ、最後まで諦めずになあ。」
励ましてくれている老人の言葉が、いやに胸に染みた。
嬉しかったのだと思う。今、自分はクラウドを助けられるのか、正直不安だったから。
治療所に入ると、看護婦が挨拶をしてくれた。
隣の部屋を覗くと、ティファはクラウドに寄り添っていた。
看護婦の話だとティファはいつもクラウドに付きっ切りなのだという。
は、自分の胸がざわりと波立つのを押さえられなかった。
エアリスが死んだ直後に感じたのと同じ気持ち。
こんな気持ち、捨ててしまいたいのに。
気持ちは膨張して、破裂しそうだった。
は部屋に入り、ティファに話し掛けた。ティファは暗い表情で振り向く。
「クラウド・・・全然よくならないの・・・。
バカだな、私・・・。クラウドに、何をしてあげられると思ってたんだろ・・・。」
ティファの辛そうな表情を見て、は思う。
本当に辛いのは私なのに。
ティファはクラウドの傍にいて、少しでもクラウドの役に立とうとしている。
なのに、自分はどうだ?
仲間に守られてばかりで、何の役にも立ってはいない。
無償に悔しかった。
はクラウドに近寄る。しゃがみ込み、彼の手をそっと握った。
「う・・・あ・・・ああ・・・」
容態は変わっていなかった。は唇を噛み締める。
「・・・。俺・・・ナンバー・・・いくつ?う・・・ああ・・・・・?」
苦しそうな彼の声。
クラウドは、今何を見ているのだろう?
「百億の・・・鏡のかけら・・・小さな・・・灯火・・・。
囚われた・・・天使の・・・歌声・・・。・・・ゼノ・・・ギアス・・・。」
クラウドの言う言葉の意味が、よくわからなかった。
百億の鏡のかけら。小さな灯火。囚われた天使の歌声。そして、ゼノギアス。
何かの暗号のような単語だった。
クラウドが何を言おうとしてるのか、全く理解出来なかった。
それが、の悔しさに更に追い撃ちをかける。
悔しくて悔しくて、たまらなかった。
クラウドはすぐ目の前にいるというのに、“クラウド”はどこにもいない。
毎晩見る夢はクラウドの夢ばかり。
クラウドは夢の中でいつもに言っていた。
『大丈夫だよ、』と。
いつものちょっと気取ったポーズで、自信に満ち溢れた笑顔で。
だから、もクラウドの手を掴むことが出来た。
大きくて、優しくて、暖かいクラウドの手。
今は、とても頼りない弱々しい手。
けれど、どちらの手もクラウドの手に変わりなかった。
自分はどうすればいい?自分はクラウドのために何が出来る?
今自分は何をしている?ヒュージマテリアは?クラウドを助ける方法は?
は頭を振った。
自分は、やはりリーダーなんかに向いていなかったのだ。
結局仲間に甘えっ切りで、自分では何にもしていないではないか。
情けなかった。
はティファに「必ず何かクラウドを助ける方法を持って戻ってくるから」と告げ、ミディールを後にした。
ティファにはああ言ったが、結局は何をしていいのかわかっていない。
とにかく無事にヒュージマテリアが手に入るのを待つのが優先だ。
ヒュージマテリアが手に入らなければ話が進まない。
はハイウィンドの甲板で、ぼーっとしながら考えていた。
クラウドはジェノバ細胞を植え付けられた人間。ならば、自分はどうなのだろう?
自分は、ジェノバ細胞を植え付けられた人間ではないのだろうか?
目を瞑ればどこからか聞こえてくる不思議な音や声。
ごぽごぽと聞こえる水の音。そして男性達の声。
何かぬるま湯のようなものに身体全てが浸けられていて、腕や首にまとわり付く暖かさ。
そして、少し目を開けると見える、緑の色。
全て、確かな記憶だった。
けれど、その記憶は曖昧ではっきりと思い出せない。
白衣を着た男数名が目の前を通り過ぎて行く光景や、隣で自分と同じように水に浸かっている人物の姿。
確かに覚えているのに、夢なのか現実なのかわからない。そんな感じだった。
「考え事か?」
は振り向く。ヴィンセントだった。
「うん・・・ちょっと、ね。」
ヴィンセントはの横に立つと、目の前に広がる山々の景色を眺めた。
そして、言う。
「クラウドのこと、か?」
はヴィンセントを見て、少し哀しげな笑顔で首を横に振る。
「・・・ううん。昔の、記憶・・・かな?」
神羅で働いていた頃の記憶。
そんなことを考えると、ふと思うことがあった。
そう言えば、ヴィンセントも神羅だったんだっけ。
「・・・確か、ヴィンセントはタークスだったんだよね。」
ヴィンセントは頷く。
「50年と少し前の話だ。もう・・・ほとんど憶えていないがな。」
風が吹いた。やや冷たい風で、はほんの少し身震いをする。
「・・・ねぇ、ルクレツィアさんって、どんな人だったの?」
ヴィンセントは一瞬に視線を向け、そしてまた景色を見つめた。
そのヴィンセントの横顔がやけに男らしくて、はかすかに頬を赤らめた。
「・・・美しく、優しい・・・そんな女性だった。機転が利き、なんでも出来たと言ってもいいほどの優等生だったな。」
そして、どことなく面影がに似ている。
その言葉だけは言わなかった。自分の胸の内に閉じ込め、きっとに告げる事はないだろう。
「・・・そっかぁ・・・。きっと綺麗な人だったんだろうなぁ・・・。」
は微笑む。きっと、女神様みたいな人だったんだろうなぁ。
想像で人を弄ぶのは駄目だと思うが、けれどヴィンセントの言い方からして想像は外れていないと思う。
「・・・風が冷えてきた。入ろう。」
確かに寒かった。は頷き、ヴィンセントと一緒に船内へ入って行った。
ヒュージマテリアの元へ仲間を派遣してから既に5日。もうそろそろ帰ってくるころだろう。
その日、夢を見た。
『やーい、青髪女ー!!』
『化物ー!化物ー!』
数人の少年に追い駆けられている少女。
少女は今どうしていいのかわからずに、ただ逃げていた。
何故、自分がこんなことを言われているのだろう?
何故、自分は今逃げているのだろう?
『痛ッ・・・・!』
一人の少年に髪を引っ張られた。少女はそれを振り切り、とにかく走った。
ニブルヘイムを抜け、とにかく逃げた。
そして気付いた時には少年達の姿はなく、一人で寒い山の中に立っていた。
自分がどの方向から来たのかさえわからなくなっている。
後ろを見ても前を見ても、右を見ても左を見ても。
どこを見ても、同じ風景。岩山ばかり。
泣きたくなった。動けなくなった。足が痛くなった。寒くなった。寂しくなった。
とうとう、少女は座り込んでしまった。
膝を抱え込んで、どうしたらいいのかわからなくて。
どんどん日は沈み、辺りは暗くなってくる。
お母さん、心配してるかな。お腹、すいたな・・・。
そんなことを考えながら、少女は震えていた。
『・・・なっさけねぇ。迷子かよ。』
ハッとして顔を上げる。
そこには、金色の髪の少年が立っていた。そして、少女を見下ろしていた。
少女は少年に抱き付き、泣き出した。
少年は急なことに驚き、目を見開いてたじたじになった。
少女はそれでも泣き続けた。
少年はしばらく戸惑っていたが、やがて小さく溜息をつき、少女の頭を優しく撫でた。
『・・・お前、名前は?』
『・・・、・・・。』
聞かれたので答える。少年は小さく笑った。
『俺、クラウド・ストライフって言うんだ。この山はニブル山って言って、モンスターとかがたくさん出る危険な山なんだ。
大人でもこの山には滅多に立ち入らない。お前、昨日引っ越してきたばっかりだろ?覚えておけよ。』
は頷いた。クラウドは「よし」と言い、をおぶった。
『家まで連れてってやるよ。どうせ帰れないだろ?』
は嬉しかった。
ニブルヘイムに越して来て、初めて友達になった彼。
クラウドは、村に慣れていないに色々おしえてくれた。
神羅屋敷やニブル山のこと。近所のおばさんのこと。とにかく、色々。
そして。
『俺、ソルジャーになりたいんだ。』
夢を追うキラキラした少年の表情で、クラウドは告げた。
には、それを止める権利はなかった。
涙でくしゃくしゃになった顔を見られたくなくて、見送りに行かなかったあの日。
クラウドはどんな思いで出発したのだろう?
『クラウド・・・。』
は小さく、呟いた。
目を開けたら、既に朝だった。
ヒュージマテリアを取りに行った全員が帰って来ているらしく、話し合いの声が聞こえる。
はそっと体を起こし、仲間達の元へと向かった。
「よう!リーダーさんのお出ましだぜ!」
バレットが笑顔で言った。は苦笑する。
「。ヒュージマテリア、間違いなく二つ持って来たぜ。結構骨が折れたけどな〜。」
シドがにヒュージマテリアを差し出した。
はそれを受け取り、眺める。
ずっしりと重いそのマテリアは、通常のマテリアとは明らかに違う光を放っていた。
「ありがとう、皆。私、何にもしてないけど・・・。」
「んなこたぁねーぜ。の知識のおかげで結構助かってたんだしよぉ。」
バレットが笑う。仲間達はその言葉に頷いた。
それが、せめてもの救いだった。これで何の役にも立ってなかったら、本当に情けなかったから。
「神羅が狙うヒュージマテリア。後はジュノンの海底魔晄炉のみだぜ。」
「先回りして止める必要があるね。」
全員が頷く。だが、シドが一歩前に出て口を開いた。
「でもよ、いちいちオレ様達が邪魔するからよ、神羅だって少しは警戒してるはずだぜ。
ここは、ちっとばかり間をおいて、その間にアイツのところへ行ってみねえか?」
「クラウドだよね・・・。」
ユフィが呟く。
「ああ、それにティファもぶっ倒れちまってんじゃねえかと心配だしよ。
で、様子を見に行ってみねえか?ミディールへよ!」
は頷いた。
「パイロットさん。ミディールへ向かってください。」
ミディールの村はまったくいつもと同じだった。
だが、村人達には少々不安があるようだ。
どうも海底の奥底から地響きがしたり、軽い地震が多発しているらしい。
それはとにかく、今はティファとクラウドだ。
とヴィンセント、ユフィの三人は治療所に向かった。
「彼女、最近流石に疲れが見えて来たみたいだけど・・・大丈夫かしら?
全然変化がない中でそれでも頑張り続けるのって結構しんどいのよね。
このままじゃ、彼女の方までおかしくなっちゃうんじゃないかしら・・・。」
治療所に入り、看護婦に挨拶をする。挨拶の後、すぐに看護婦は現状を話してくれた。
ティファも、相当無理をしているらしい。
はティファとクラウドのいる部屋に入り、ティファに話し掛ける。
ティファは泣きそうな顔で言った。
「・・・駄目だわ・・・。クラウド、全然よくならないの・・・。
私、どうしたらいいのか・・・もしクラウドが、このまま一生治らなかったら・・・?」
は何と言ったらいいのかわからなかった。
ティファを励ましてあげたいが、本当ならば自分だって励まされたい気分なのだ。
それに、簡単に励ましただけの言葉など、気休めにもならない。
「きゃっ!?」
突然ティファとの体が揺らめく。突如地震が起こったのだ。
大きな地震だ。は傍の壁に掴まり、自分の体を支えた。
「・・・ヤツらが・・・ヤツらが・・・来る・・・!!」
「クラウド!?何が言いたいの・・・!?」
久し振りに言葉らしい言葉をしゃべったクラウド。は聞き返したが、反応はなかった。
「!ティファ!大丈夫か!!」
ヴィンセントが部屋に駆け込んで来た。地震は全くおさまっていない。
「ちょっとちょっと!一体全体何が起こってるわけ〜!」
ユフィが壁に掴まりながら叫んだ。
とにかく何が起こっているのか確かめなければならない。
医者と看護婦、クラウドとティファを残して、達三人は外へと出た。
「な、なにこれ・・・。地下のライフストリームが地表に吹き出そうとしてるの・・・!?」
「・・・マズイな・・・。このままじゃ危険だぞ!」
三人は空を見上げて息を飲む。
上空では、アルテマウェポンが飛び回っていたのだ。
なんと最悪なタイミングなのだろう。は唇を噛んだ。
「ウェポン・・・なんでよりにもよってこんな時に現れるの・・・!?皆!!アルテマウェポンを倒すわよ!!!」
「げぇー!マジでぇ!?でもまぁ、仕方ないか!ユフィちゃん、頑張っちゃうよー!」
「行くぞ!!気合いを入れろ!!」
三人は構えた。ウェポンはそれを見計らい、目の前に下りてくる。
そこを全員で攻めた。
ユフィが森羅万象を炸裂させ、は横から斬り付ける。
ヴィンセントは思い切り姿勢を低くし、ウェポンの頭を目掛けて銃を撃った。
ウェポンの体が少しよろめく。けれど、まだ終わった訳じゃない。
ウェポンは爪をユフィに向かって振り下ろした。ユフィの体が吹き飛ぶ。
「・・・ったぁ・・・・。」
「ユフィ!!」
どうやら背中を強く打ち付けたようだ。苦痛の表情を浮かべている。
「ケアルガ!!」
はすぐにユフィに回復魔法をかけた。ユフィは唇をきつく結ぶと、立ち上がって再び攻撃を仕掛ける。
ヴィンセントはひたすら銃を発砲していた。出来る限りウェポンの攻撃を避けるように努め、
出来る限りウェポンの急所を狙うように発砲し続けた。
ウェポンは時折ぐら付いたりしたが、やはり伝説のモンスターなだけあってビクともしない。
「シヴァ!!力を貸して!!」
が叫ぶ。
は両手を高く伸ばし、手に力を込めた。
の体が青く光出す。冷たい空気がその場に満ち、氷の刃が吹き荒れた。
そしてシヴァが姿を現す。
神秘的な雰囲気を持つ女性の精霊、シヴァ。
シヴァはの隣に立つと、両手をクロスさせ、右手をウェポンに向けた。
と、ものすごい衝撃波でウェポンの巨体が吹っ飛ぶ。
シヴァの得意技、ダイヤモンドダストだ。
氷の刃がウェポンの体を切り刻み、冷たい風がウェポンの傷を抉る。
ウェポンの断末魔の悲鳴が響いた。
ウェポンはそれでも体勢を立て直そうとする。
そこに、ユフィとヴィンセントの攻撃が追い撃ちをかけた。
もうそろそろウェポンも限界のはずだ。ウェポンはよろめき、そのまま飛び立って行った。
「ウェポン!!逃げる気なの!?」
ウェポンがいなくなってしまったのを確認すると、シヴァはの手をそっと握り、姿を消した。
ウェポンは逃げた。というか、逃げられてしまった。
「あいつ、いつか絶対ぶっ飛ばしてやるからなあ!」
ユフィが「ムキー!!」という勢いで言う。ヴィンセントは辺りを見回し、
「ライフストリームの方もおさまったようだな。」
と呟いた。
だが、再度地震が起こり始めた。全員の表情に緊張が走る。
しかも、先ほどよりも揺れが大きい。
「まさか・・・!!まずいぞ!ストリーム本流の吹き上げだ!!
さっきまでのとは比べ物にならないくらい大きいのが来るぞ!!逃げるんだ!!」
ヴィンセントが叫んだ。けれど、には逃げれない理由があった。
はヴィンセントに大声で告げる。
「ヴィンセント!ユフィを連れて逃げて!!私はクラウドとティファを連れて来る!!」
「時間がないぞ!いいから逃げるんだ!!」
「そんなの出来ない!!私、決めたんだもの!!クラウドを、必ず助けるって!!」
はそう言い、治療所の方へと駆けて行った。
ヴィンセントはどうするか迷ったが、ユフィの手を引いてその場を逃げ出した。
大丈夫。なら必ずやクラウドとティファを助け出してくれるだろう。
そう信じて。
「ティファ!!」
は治療所に駆け込んだ。ティファはどうしたらいいのかわからないという表情をしている。
「ティファ、大丈夫!?」
「う、うん・・・私は平気。何が起こってるの?」
「説明は後!とにかく逃げて!!ドクターも早く逃げてください!!ここは危険です!!」
医者は頷き、看護婦とともに外へと避難していった。
「ティファも早く!」
「でもクラウドは?」
「私が連れてく!ティファ急いで!!」
ティファは戸惑ったが、ひとつ頷くと外へと出て行った。
は車椅子のクラウドに向き直る。
「クラウド、大丈夫だからね。私、絶対にクラウドを守るから・・・。だから、お願い。頑張って!」
はクラウドの手を握りそう言うと、車椅子を押して外へと出た。
もう村の中に残っている人間はとクラウドの二人だけらしく、人の気配は全くなかった。
は車椅子を押して走った。
絶対にクラウドは死なせない。死なせてはいけない。
は絶対にクラウドを守り抜きたかった。けれど、その意志はあっけなく崩される事となる。
地割れが起き、クラウドの車椅子の車輪が空を切った。
そして、地割れはどんどんとエスカレートしてゆく。
地割れの奥底は、エメラルドグリーンの光を放っていた。
―――ライフ・・・ストリーム・・・?
そう思った瞬間、とクラウドの体は宙に浮いた。
そして、そのまま重力に引き寄せられて行った。
暖かい光。ライフストリーム。
「クラウド・・・」
そこで、の意識は暗転した。
<続く>
=コメント=
すばらしきスピードで書き上げております(笑
ってかさー、クラウドとの再会、早いね(笑
こんなに早くていいんだろうか・・・。
マジでいいのかな!?(笑
あ、あと、ウェポンとの戦闘シーン・・・。
ごめんなさい。戦闘シーンはあれが精一杯です(汗