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あの時より一歩強くなれた?第二十六章







「社長・・・なんだかイヤ〜な予感がするわ。」

スカーレットが呟いた。ルーファウスは顎に手を当てて考えた。

「ふむ・・・一度、飛空艇に帰ろうか。本格的な調査の準備も必要だしな。」

ザッ、と音がした。その場の全員が音の方向に振り向く。

そこには、クラウドと、そしてティファが立っていた。

「ちょっと!!どこから来たのよっ!」

スカーレットがいつもの金切り声を上げる。だがクラウドの反応は、サラリとしたものだった。

「・・・さあな。ここはあんた達の手には負えない。後は俺に、任せてさっさと出て行け。」

ルーファウスはクッと鼻で笑いを漏らした。

「・・・お前に任せる?ふっ・・・よくわからないな。」

「ここはリユニオンの最終地点。全てが終わり、また始まる場所。」

クラウドは静かに答えた。

「クラウド・・・。」

はもうクラウドを見ていることさえ辛かった。

ティファも隣で黙っている。

と、透き通るようなコロン、という音がした。

全員が振り返る。そこには、黒マテリアが転がっていた。

とティファは顔を青くする。何故、ここに黒マテリアが?

クラウドは黒マテリアに歩み寄る。駄目だ。彼を黒マテリアに近寄らせては駄目だ。

「クラウド!!駄目!!!」

は叫んだ。けれどクラウドは足を止めない。

「私の声、聞こえないの!?」

クラウドは虚ろな目で黒マテリアを見つめているだけだ。

は頭を振った。

「駄目っ・・・駄目!!クラウドを止めてッ!!!」

の悲痛な叫び声がその場に響いた。やけに時間が長く感じた。

クラウドは黒マテリアを拾い上げ、俯いた。

「後は俺が・・・・・・やります・・・。」

はその場に崩れ落ちた。自分の足元が徐々に失われていく、そんな感覚。

ああ、クラウドは消えてしまった。クラウドが、どこかへ行ってしまった。

そんな思いが体中を駆け巡り、は足掻いた。

水中に無理矢理沈められているような感覚。はもがいた。

『さあ、黒マテリアを・・・』

セフィロスの声が頭の中に響く。そして、その後にクラウドの声が聞こえた

『待って下さい!もう少しだけ!』

クラウドは全員の方に向き直り、顔を上げた。

その顔はいつものクラウドの顔ではなかった。もはや、別人の顔であった。

「皆、今までありがとう。それに・・・ごめんなさい。・・・・・ごめんなさい。

・・・すいません・・・特に・・・さん。本当に、ごめんなさい・・・。

色々良くしてくれたのに・・・・なんて言ったらいいのか・・・・。」

は涙で濡れた顔でクラウドを見つめた。

「俺、クラウドにはなりきれませんでした。」

クラウドの声だけれど、情けない弱々しい声。けれど、その声はハッキリと告げたのだった。

さん・・・いつか、本当のクラウド君に会えるといいですね。」

もう、にはどうすることも出来なかった。

このクラウドは、もうの知っているクラウドではなかった。

はがっくりと項垂れた。

「クックック・・・素晴らしい・・・。私の実験がパーフェクトに成功した訳だな。」

宝条が言う。

「お前、ナンバーはいくつだ?ん?イレズミはどこだ?」

クラウドは宝条に歩み寄り、口を開いた。

「宝条博士・・・・・俺、ナンバー、ありません。

俺、失敗作だから博士がナンバーをくれませんでした。」

宝条は目を見開いて驚いた。自分の失敗に悔しがるような表情。

「なんということだ・・・失敗作だけがここまで辿り着いたと言うのか・・・。」

「博士・・・・ナンバー、ください。俺にもナンバーをください・・・・。」

「黙れ、失敗作め・・・。」

クラウドは、ふわりと宙に浮き上がった。

ルーファウスはその姿を見て呟く。

「あいつは・・・何者だ?」

「・・・5年前、セフィロスが死んだ直後に私が創ったセフィロス・コピーのひとつ。

ジェノバ細胞と魔晄、それに加えて私の知識、技術、ひらめきが生み出した科学と神秘の生命、セフィロス・コピー。

失敗作だというのが気に入らないがジェノバのリユニオン仮説は証明された。

ジェノバは身体をバラバラにされてもやがてひとつの場所に集結し再生する。これがジェノバの『リユニオン』だ。

リユニオンの始まりを私は待った。5年が過ぎ・・・コピー達は動き出した。

ミッドガルに保管されていたジェノバのところにコピーたちは集まってくるはず・・・。

しかし、私のこの予想は外れた。そればかりか神羅ビルのジェノバも移動を始めた。

・・・私は天才だ、すぐにわかった。セフィロスの仕業だ。

セフィロスの意志はライフストリームで拡散することなく、セフィロス自身としてコピーを操り始めたのだ・・・。」

クラウドが呟く。


『そうです、それが始まりでした。』


「コピー達はどこへ行くのだろう・・・私にはわからなかった。」


『俺自身にもわかりませんでした。』


「ただ、わかっていたのは目的地にはセフィロスがいるはず、ということだ。」











『俺、セフィロスを追っていたんじゃなかったんです。セフィロスに呼ばれていたんです。』






『セフィロスへの怒りと憎しみ。それは俺がセフィロスのこと、忘れないようにとセフィロスがくれた贈り物・・・。』






『セフィロス?セフィロス?俺、来ました。黒マテリア、持って来ました。』






『姿を・・・見せて下さい。どこにいるのですか?』










クラウドは本当に嬉しそうに微笑み、言った。

『ああ・・・セフィロス・・・やっと、会えましたね・・・。』

クラウドの真正面から、魔晄に包まれた上半身だけの真のセフィロスが現れた。

クラウドはそのセフィロスに近寄り、大事そうにセフィロスを見やった。

宝条が歓喜の声を上げる。

「見たか!!セフィロスだぞ!やはり、ここにいたのだ!

素晴らしい!ジェノバのリユニオンとセフィロスの意志の力!

ライフストリームに拡散することなくここに結集したのだ!クァックァックァッ!」

狂っている。宝条は、狂っている。は宝条を呆然と見つめた。

「宝条博士・・・何がそんなに嬉しいの?どういうことかわかってるの・・・?」

は宝条に掴み掛かった。宝条の胸倉を両手で掴む。

「クラウドは黒マテリアを待ってるのよ!?セフィロスはメテオを呼んでしまうのよ!?皆・・・皆死んじゃうのよ!?」

ここまで頭に血が上ったのは久し振りだった。宝条はなおも笑い続けている。

ルーファウスはの肩に手を置き、言った。

「もう、何を言っても遅い・・・。そろそろ、ここから出た方が良さそうだ。

君達も一緒に来てもらおうか。色々と話が聞きたい。」

はルーファウスの手を払い除け、クラウドに最後の望みをかけて叫んだ。

「クラウド!お願い!やめて!!思い出して!!クラウド!」

クラウドは黒マテリアをセフィロスに渡した。黒マテリアが魔晄の中で怪しい光を発し、地響きが起こり始める。

辺り一面が崩れ落ち始め、そんな中・・・クラウドはセフィロスに寄り添っていた。

「クラウド―――――――――――――――!!!」

の叫び声は、騒音の中に掻き消されて行った・・・・。

 

 







<そして・・・・・・。>
















は目を開けた。だが、眩しくてなかなか目が開けられない。

「・・・」

少し体を動かしてみる。少々動き難い感じはするものの、特に異常はなかった。

「目が覚めたか?」

聞き覚えのある声が聞こえて、は首を動かした。

かすかに開けた瞼の隙間から、ワインレッドのマントが見えた。

「・・・ヴィンセント・・・?」

「気分はどうだ?」

は上半身をゆっくりと起こし、顔を手で覆った。

眩しい。ゆっくりと目を開け、目に光を慣らす。

そして、改めて自分に声をかけてくれた人物を確かめた。

「・・・ヴィンセント・・・。」

見覚えのある部屋だった。

確かここは、ジュノンの神羅支社内の医務室・・・。

は立ち上がろうとした。だが、筋肉が強張ってしまって上手く立てない。

ヴィンセントはの腕を掴んで支え、囁くように言った。

「・・・・聞かないのか?」

ヴィンセントが何を言いたいのかはすぐにわかった。

クラウドのことだ。

けれど、今はまだ心の整理が出来ていなかった。は答える。

「・・・・・怖いから。」

「それなら安心するがいい。私もクラウドがどうなったのかはわからない。

クラウドどころか、他の者達も無事かどうかさえわからない。」

は部屋を見回した。

部屋にはヴィンセントとの二人しかおらず、部屋は閉め切られていた。

「きっと・・・生きてるよね?」

ヴィンセントは頷いた。

「私・・・どのくらい眠ってたの?」

「あれから7日たってるはずだ。」

「セフィロスは?」

「まだ復活はしていないようだな。あの大きな光は覚えているか?北の大空洞の。」

は頷いた。

「あの後、クレーターは光の大きなバリアで包まれてしまったんだ。

セフィロスはバリアに守られながらあの大穴で眠っているという話だが・・・

私達には何も出来ない。ただ目覚めの時を待つというだけらしいな。

しかもだ。ウェポンとかいう巨大モンスターが暴れている。」

「・・・ウェポン?」

「クレーターの底でセフィロスの周りにいた化物を憶えているか?

あれが地上に出て来たんだ。古代に生きていた伝説の巨獣だって話だが。」

「ウェポン・・・はセフィロスを守ってるの?」

「それはわからない。だが、とにかくウェポンらが現れて世界を襲い始めた。

ルーファウスはそいつらと戦っている。気に食わないが今は仕方ない。

本当は私達が倒したいところだが時間がない・・・・。」

時間という単語であることを思い出す。

「・・・ねぇ!メテオは!?」

ヴィンセントは黙ったまま窓ガラスに近寄り、窓ガラスを隠しているシャッターを開けた。

遥か上空にメテオが迫って来ているのが肉眼で確認出来る。

は口を手で押さえた。

「・・・諦めるしか、ないのかな・・・。」

「・・・・。」

ヴィンセントは何も言わなかった。

そこに、ドアが開いてルーファウスがやって来た。

ルーファウスはとヴィンセントがいることを確認し、口を開いた。

「お前を助けるためにクラウドが現れると思っていたが・・・。

宝条博士もクラウドを調べたがっていてな。」

「クラウドをどうするつもり!?」

ルーファウスは不敵な笑みを浮かべた。

「セフィロスの分身・・・か。メテオを呼んでしまった今となってはお払い箱のようだな。

という訳で、お前達にももう用はない。いや、大切な仕事が残っている・・・かな。」

ハイデッカーが入って来た。ハイデッカーはルーファウスに告げる。

「社長!処刑の準備が整いました。」

「処刑!?」

は顔を青くした。だがルーファウスはふっと笑う。

「安心したまえ、。君は大切な人材。処刑されるのはそっちの男とその他の仲間達のみだ。

こいつらはこの事態を引き起こした者として処刑される。」

「そんなのは許さないッ!」

は懐から小刀を取り出し、自分の喉へと突き付けた。

何かの時に、と思って隠しておいた小さな剣。はルーファウスを睨み付ける。

その行動には全員が目を見開いて驚いた。

「もしも皆を処刑するというのなら、私もこの場で死ぬわよ。

私は神羅にとって大切な人材なのよね?私を失ったら困るのは神羅カンパニーじゃないの?」

「自分を人質にするとは・・・なめた真似をしてくれたな。。」

「皆を殺さないと誓うのなら神羅に戻ってもいい。けど皆を殺したその時は・・・。」

ルーファウスは溜息をついた。やれやれと肩を竦め、ハイデッカーに顎で合図する。

そして改めてに向き直り、ふん、と鼻で笑った。

「悪いが、この男と、お前達以外は私以外の者に受け持たせているのでね。

その他の奴らを処刑するかどうかは各々の判断に任せてある。まぁ、あのティファとかいう小娘はまず助からないだろうが。

何せスカーレットが担当をしているからな。じわじわと苦しめながら殺すに決まってる。」

は唇を噛み締めた。そして言った。

「なら、ヴィンセントだけでも助けて頂戴。」

ルーファウスはヴィンセントを見て、またやれやれと肩を竦めた。

「・・・いいだろう。ハイデッカー。その男はここに残しておけ。」

「はっ。」

その言葉を聞いて、は小刀を降ろした。ヴィンセントに近寄り、ヴィンセントの耳元で囁く。

≪これを持っておいて。≫

はルーファウス達に見えないように何かをヴィンセントに押し付けた。

ヴィンセントはそれを受け取る。

≪これがあればここから出られるはずよ。頃合を見てここから脱出して。そして、皆を助けてあげて・・・。≫

から渡されたものはカードキーだった。

≪ティファのことは私に任せて。何としても必ず助けるから。≫

はそれだけを告げると、そっとヴィンセントから離れた。

「それじゃ、行きましょうか。」

はルーファウスに言った。ルーファウスはに手を差し出す。

はその手を取らずにスタスタと行ってしまった。

ルーファウスは鼻で笑い、ハイデッカーを連れて部屋を出て行った。

残されたヴィンセントはから手渡されたカードキーに視線を落とし、ドアを見つめた。

この医務室の鍵はカードキー式ではない。こんな時代には珍しい、錠の鍵だ。

ということは、このカードキーを使うのは出入り口のドアではないということだ。

ヴィンセントは部屋を見回した。そして気付く。

カードキーの差込口が何故だか壁についている。

その辺りにドアは見当たらない。

ヴィンセントはその壁に近寄り、カードキーを差し込んだ。

すると、壁が自動ドアのように開いたのだ。ここから脱出出来そうだった。

ヴィンセントは心の中でに礼を言い、そのドアの向こうへと消えて行った。








はどうしたらルーファウス達の目を欺けるか考えていた。

これからどこに連れて行かれるのか予想もつかない。

とりあえず、トイレに行くという口実で逃げ出そうと考えてみた。

【そういえば、エアリスの家でもトイレ口実で逃げようとしたっけ・・・。】

ふと思い出す。あの時は本当に苦労した。

今考えると笑い話だ。つい苦笑が漏れてしまう。

「ねぇ、ちょっと寄りたいところがあるんだけど。」

「何だ?」

は目の前に見えているトイレをちょんちょんと指差した。

ルーファウスはふっと笑い、軽く肩を竦めた。

はそれを肯定と受け取り、トイレへと入っていった。

もちろん、トイレに行きたいというのは真っ赤な嘘だ。

はトイレの窓から外に出て、仲間を求めて駆け出した。

――――――――――まずは、一番命の危険があるティファの元だ―――――――――









は途中でバレット達と再会を果たした。

バレットはケット・シーと一緒にティファを救おうと駆け回っていたらしい。

バレットの話に寄ると、ティファはスカーレットの手によって毒ガスの部屋に閉じ込められているらしい。

「わかった。必ず助けるから、バレット達はヴィンセントと合流して。

多分今ヴィンセントも皆を探してるはずだから。」

バレットとケット・シーは頷き、走って行った。

は「よし」と呟き、バレット達とは反対の方向に走って行った。

毒ガス室。

思い当たる部屋はひとつしかない。






は思い当たる部屋の前にやって来た。

中からティファの声が聞こえる。はドアを叩いた。

「ティファ!!ティファ、無事!?」

!?』

どうやら無事のようだ。はポケットに入っていた針金でドアの鍵を抉じ開けた。

ティファは部屋の中心にある椅子に縛り付けられていて、毒ガスを頭から被せられていた。

はティファを縛っている縄を解き、ティファを開放した。

「大丈夫!?」

ティファは軽く咳き込み、を見て頷いた。

と、その場がガクンと揺れた。

『緊急警報!緊急警報!ウェポン襲来!総員戦闘配備!』

「「ウェポン!?」」

先ほどからミサイルの爆発音や銃声が聞こえている。どうやら、本当にウェポンがやって来たらしい。

はティファを立たせ、その場から逃げようとした。だが急にその部屋に衝撃が走った。

立っていられないほどの衝撃。二人は床に叩きつけられた。

天井には大きな穴が開いている。どうやらウェポンの攻撃が当たったらしい。

「ティファ、あそこから脱出しよう!そっちの方が安全かもしれない。」

今までに来た道を戻ると、神羅の兵達に見つかってしまう恐れがある。

だからこそこちらの道を選んだのだ。ティファはしっかりと頷いた。

は毒ガス室の扉を閉めた。もしかしたら異変に気付いて誰かが戻ってくるかもしれない。

は扉の鍵までしっかりと閉め、ティファと一緒に天井に出来た穴から抜け出した。

『ちょっと!?何があったの!?コラ、開けなさい小娘!!』

「開けろって言われて素直に開ける奴なんていないわよ!」

はドアの向こうにいるであろうスカーレットに吐き捨てるように言った。

スカーレットがドアを抉じ開けて毒ガス室へと入って来る。

はティファを促し、とにかく先へ、先へと走った。

だが、キャノン砲先端部で追い詰められてしまった。

「オニごっこはここまでよ。」

スカーレットが勝ち誇った顔で言った。ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。

「ガス処刑は無理だったけどここから落ちて水面に叩き付けられて死ぬってのもス・テ・キ、かもしれないわね。

・・・っと、いけない。は生きて神羅に戻さなきゃダ・メvだったわね。キャハハハハ!!」

「お生憎さま。私はツォンに言ったはずよ。死んでも神羅には戻らないってね。」

は素っ気ない態度で示す。

スカーレットはそれに腹を立てたらしく、にツカツカと歩み寄るとの頬にビンタを与えた。

バシンとすごい音がして、の頬が赤く染まった。

「そういえばアンタはいつでも生意気だったわよねぇ!何年経っても変わらないわ!!」

の顔がふっと笑みに揺れた。だが、優しい笑みなどではなく不敵な笑みだ。

「・・・・私の顔を叩くなんていい度胸じゃない・・・この年増女!!!」

は平手などではなく、拳でスカーレットの頬をぶん殴った。

スカーレットの髪が崩れ、スカーレットの動きが止まる。

だが、次の瞬間ものすごい形相でを睨みつけた。

「なんっっっっっっってことするの!?この青髪女!!」

スカーレットはの髪を掴んで引っ張った。

は苦痛に顔を歪め、負けるものかと自分もスカーレットの髪を掴んで引っ張った。

「痛い!!」

「私だって痛いわよ!最初に引っ張ったのはあんたでしょ!?」

「煩い!社長の命令がなかったらあんたなんて殺してやるのにっ!!」

「あっははは!!馬鹿じゃないの!?ルーファウスの命令があるからこその行動に決まってるでしょ!?」

「キィィィィ!!!社長の阿呆〜〜〜〜〜!!」

「なぁに!?ヤキモチでも焼いてるの!?もしかしてスカーレットったらルーファウスに恋してるとか!?」

「あんた何馬鹿なこと言ってるのよ!!アタシが社長に恋!?馬鹿らしいにもほどってもんがあるわ!」

二人はしばらく互いの髪を引っ張り合った。ティファはその光景を呆気に取られて見ていた。

「ふんっ。人の色事に首を突っ込むより、あんたはあの金髪のボウヤのことを心配したら?

何せあのボウヤはクレーターの中で行方不明になったのよ?今頃どこかで死体になってるかもしれないわね!

キャハハハハハハ!!!」

スカーレットが言うと、一瞬の手の力が緩んだ。スカーレットはそれを見逃さずにの体を突き飛ばす。

「さぁ小娘。年貢の納め時よ。」

スカーレットは笑いながらティファとを見下ろした。






     ――――走れ・・・・――――






はハッとして顔を上げた。そしてそのまま視線を上空へと移す。






     ――――砲の先に向かって走れ!!!――――






「ティファ!走って!!」

は立ち上がる。そしてティファの手を引いて駆け出した。

砲の先へと向かって、全速力で。

すると、正面から飛空挺が飛んできた。

「飛空挺ハイウィンド・・・!!」

甲板にはヴィンセントとバレットがおり、ロープを下に垂らしてくれた。

とティファは思い切りジャンプをしてロープに掴まる。

ヴィンセントはそれを確認してに親指を立てて見せ、はそれに笑顔で返した。

ハイウィンドは空高く舞い上がり、ジュノンはどんどん遠ざかって行った。




―――――あのボウヤはクレーターの中で行方不明になったのよ?今頃どこかで死体になってるかもしれないわね・・・








     クラウド    




               きっとどこかで    生きていてくれてるよね?






――――――――――――――――――不安――――――――――――――――







<続く>

=コメント=
またもやすっごく長いですぅ(汗
ヤヴァイ(やばい)くらいに長いよぉ(汗
途中メモ帳のメモリが足りなくなって困った(笑
あー・・・クラウドがパーティに加わるのはまだ遠いなぁ・・・(涙
むふー、頑張らねばぁ・・・。