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あの時より一歩強くなれた?第二章




「列車来たよ!!」

ティファが駅のホームに走って行く。

その後をが追いかけて行った。

クラウドとバレットもその後に続く。

四人は五番魔晄炉を爆破するミッションのために電車に乗り込んだ。

幼馴染のと再会したクラウドとティファは、出来る限りと一緒にいたかった。

とても仲の良い親友だからだ。

いや、クラウドにとっては親友では納まらないかもしれない。

もっと特別な何か・・・、特別な感情を抱いていると言えるだろう。

「んっ?んんっ〜?ずいぶんすいてやがるな。どうなってる!?」

バレットが列車の中を見渡した。そして側にいるサラリーマンの胸倉を掴んで怒鳴った。

「ヒッ!き、君達みたいなのがいるからすいているんじゃないかっ・・・。」

「なんだとぉ!?」

「やめて!バレット!」

逆上しかけた時、があわてて止めた。

サラリーマンは脅えている。

「ちっ、あんた、ついてるぜ。」

バレットはしぶしぶ手を離す。サラリーマンは逃げるように別の車両へ行ってしまった。


大きく車体が揺れた。列車の接続が済んだのだ。これは出発の合図とも言えるだろう。

「接続が済んだのね。出発するわ。」

ティファが言った途端、再び車体が揺れた。ガタガタと音をたてて列車が動く。

「今回の作戦についておしえてくれ。」

クラウドが言った。

「ちっ、仕事熱心だな、クラウドさんよぉ!

・・・仕方ねぇ、せ、説明してやる!!」

バレットのこの言い方からして、どうやらバレットは人に何かを説明するのが苦手のようだ。

「ジェシーから聞いただろうが上のプレートとの境界には検問がある。列車ごとIDスキャンするシステムだ。」

ジェシーというのは、アバランチの仲間の一人の名前だ。

「IDスキャンって確か神羅の自慢よね。」

が言う。

「今までのニセのIDはもう使えねぇ・・・。」

バレットがため息をついた。

今まで使っていた偽物のIDはもう使えなくなってしまったのだ。

≪本日も御乗車ありがとうございま〜す。4番街ステーション到着予定時刻は〜

ミッドガル時11時45分〜≫

車内にアナウンスが響く。アナウンスを聞いてティファが口を開いた。

「ID検知エリアまであと3分ってところね。」

「あと3分たったら列車を飛び降りる。いいな!」

バレットの言葉に、全員が頷いた。

、クラウド、こっち!路線図モニタでも見てようよ!」

ティファが路線図モニタの前で二人を呼んだ。

クラウドとは顔を見合わせ、ティファの元へ寄って行った。

「うわぁ、路線図モニタって初めて見たぁ・・・。ってか、列車に乗ったのも初めてだわね。」

が苦笑いを浮かべて言う。

その時だった。



ビーッ!ビーッ!ビーッ!



ID検知エリア突入の警報が鳴った。

車内は赤いライトで照らされる。

「ねぇ、おかしくない?確かID検知エリアはもっと先のはずじゃないの?」

が戸惑いながら言う。ティファもクラウドも一体どう言う事なのか把握出来ていないようだった。

≪A式非常警戒体制を発動。列車内に未確認のIDを検知。各車両緊急チェックに入ります。くりかえします。

A式非常警戒体制を発動。列車内に未確認のIDを検知。各車両緊急チェックに入ります。≫

「ちょっと待って、どうなっているの!?」

「おかしいわよ、何で?」

ティファとが交互に声を上げる。

バレットとクラウドは辺りを見渡している。

その時、車両のドアがガラっと音をたてて開いた。

仲間の一人のジェシーだった。何やら慌てている。

「まっずい事になっちゃったわ。説明は後。早くこっちの車両に!」

ジェシーは元の車両に引き返して行った。

どうやらミスをおかしてしまったらしい。

「ちっ・・・しくじりやがったな・・・。」

バレットの呟きが漏れた。クラウド達は急いで隣の車両に移った。

≪車両1に未確認ID検知。警戒レベル1。車両1をロックします。車両1ロック完了。警戒レベル2に移行。≫

「急ぐんだ!」

「扉ロックされるっす!」

仲間のビッグスとウェッジも叫びながら走って行った。

「とにかく走って!!作戦2にチェンジよ!!」

ジェシーがクラウド達を誘導する。

≪車両2に未確認ID検知。ドアロック準備≫

クラウド達はひたすら走った。扉がロックされて、車両に閉じ込められては元も子もない。

≪警戒レベル2。車両2をロックします。車両2ロック完了。警戒レベル3に移行。≫

車両を抜けた。

「よし!抜けたか!?」

バレットが安著の声を上げる。だがジェシーはまだ真剣な顔をしている。

「まだよ、すぐ次の検知がはじまるわ。バレたらアウトよ!

でも、心配しないで。前の車両に順々にうつっていけばやりすごせるわ!」

≪未確認IDは列車前半部に移動中。現在位置の再確認に入ります≫

扉ロックは少しずつ迫って来る。

クラウド達は再び走り出した。

「!?ちょっ、きゃっ!!」

ッ!?」

クラドは振り返る。が思い切り転んだ。

椅子に座っている男がニヤニヤしている所を見ると、が走って来た時に足を出して転ばせたのだろう。

「大丈夫かっ!?」

「だ、大丈夫っ、早く行って!」

を残して行ける訳がないだろ!?」

クラウドはに駆け寄ってを抱き上げた。そのまま駆け出す。

「ク、クラウド!?」

クラウドは隣の車両に駆け込んだ。その瞬間扉が閉まり、アナウンスが流れた。

≪警戒レベル3。車両3ロック完了。警戒レベル4に移行。車両4に未確認IDを検知。

警戒レベル4。車両4をロックします。車両4ロック完了。警戒レベルMAXに移行。≫

「よしっ!! うまくいったな!こっちだ!ここからダイブするぜ!」

バレットが叫ぶ。クラウドはを降ろして言った。

「怪我はないか?」

「う、うん。」

「列車の中には、ああいう奴らが五万といる。これからは気を付けろよ。」

は、自分の頬が熱いのに気付いた。クラウドは優しい笑みを見せて、の頭をぽんぽんと叩いた。

ティファがドアの前で止まっている。

「・・・どうしたの?ティファ?」

が声をかけてみた。ティファは首だけ振り返り、言った。

「・・・怖いね。」

「今更なんだよ。だいたい、どうして来たんだ?」

クラウドがティファに言う。ティファはムッとしたような顔をする。

「だって、をクラウドに任せておくの不安だったんだもの。」

さすがのクラウドもこの言葉には反感を持った。だが今はそれどころではない。

「おいお前ら!時間がねぇぞ!」

バレットが言う。ティファはもう一度外を見て、決心したように言った。

「うん決めた!よっく見てて!私、飛ぶから!!」

ティファは飛び降りていった。はゴクリと息を飲む。

「大丈夫か?」

クラウドが言った。はしっかりと頷いた。

「先に行くが、構わないな?」

クラウドの質問にバレットは鼻で笑った。

「リーダーは最後まで 残るもんだ。いいから、早く行け! 怪我すんなよ!作戦はこっからが本番だぞ!」

「よし!行くぞ、!」

クラウドは右腕でしっかりとと抱き込んだ。

「うん!いいよ!!」

「3・2・1・・・」

クラウドのカウントダウンがゼロを唱えると同時に、二人は列車から飛び降りた。

地面に叩きつけられて何回か転がる。

「イタタタ・・・」

は体を起こした。隣ではクラウドも倒れている。

「さすがに痛かったな・・・。は大丈夫か?」

は吹き出した。クラウドはキョトンとしている。

「クラウド、さっきから『大丈夫か?』ばっかり。」

「・・・そうか?」

クラウドは立ち上がって、体に付いた埃をはらった。

「おーい!」

バレットの声がして二人は振り返った。

ティファとバレットが歩いてくる。

「ここまでは予定通りだ。しかし、五番魔晄炉にたどり着くまでは油断は禁物だぜ。

ビッグス、ウェッジ、ジェシーが先行している手はずになってる。行くぞ、おまえら。

さぁて、五番魔晄炉はこのトンネルの奥だ!」

元気で能天気なのはバレットだけだろう。

バレットは先頭に立ち、スタスタと歩いて行ってしまった。

クラウド達3人は顔を見合わせ、しぶしぶバレットの後について行った。



「・・・なんだ、こりゃ。」

目の前には光の帯が佇んでいる。

一見美しいものに見えるが、クラウドは顔の緊張を解かない。

クラウドは言った。

「この光の帯は、神羅の警報センサー。これ以上、奥には進めないな。

ここまで来て警報センサーの世話になるなんてのは、シロウトだけだ」

「へぇ・・・。こんなに綺麗に見えるのにね・・・。」

クラウド達は辺りを見渡す。

錆びれた鉄の壁。その一部に、小さなダクトがあるのを見つけた。

「か〜っ、せまっちい穴だな。ここからプレートの下にもぐれってのか?たまんねぇぜ。

どうする、クラウドさんよぉ?」

クラウドはダクトの中を覗き込んだ。

ダクトの中に足掛かりになりそうなものはない。

「このダクトを下りたら、ここには戻って来れないな。」

「でも行くしかないわ。ここに来るまでずっと一本道だったし、

いつ神羅の人達に私達の行動がばれてもおかしくないもの。」

クラウドは頷いた。クラウドはそっと体を崩してダクトの中に潜り込んだ。

その後に達が続く。

複雑な道を歩いて、ウェッジの姿を見つけた。

またしばらく歩くとジェシーがいた。ジェシーは、しゅん、として言った。

「ごめんなさい。列車のIDスキャンのミス 私のせいなの。

のIDカード。私の特別製にしたから・・・ あんなことに・・・

心をこめたつもりだったんだけどね。失敗しちゃった。

今度はもっとましなものプレゼントするわ。

先にアジトに帰って研究開発にはげんでるからね。」

は笑った。

「ううん。いいの。プレゼントしてくれてありがとう。私も今度ジェシーに何かプレゼントするね!」

ジェシーはにっこりと笑って頷いた。



クラウド達は先を急いだ。

長いハシゴの前にビッグスが立っていた。ビッグスは手招きをしている。

クラウド達はビッグスの元に駆け寄った。

「このハシゴの上が五番魔晄炉だ。俺達はこれで引き上げる。

アジトで落ち合おうぜ。クラウド、五番街魔晄炉の爆破よろしくたのむぜ!」

ビッグスはいつもの悪戯な笑みを残して走って行った。

クラウド達は一段落を終えたとため息をついた。だが本番はまだこれからだ。

「さ、行こう!」

が言った。全員はその言葉に頷き、ハシゴを上って行った。

先頭がクラウド、二番目が、三番目がティファ、最後がバレットといった感じだ。


五番魔晄炉の中は、蒼い魔晄エネルギーの光で満ちていた。

少し油のような匂いもする。

魔晄炉の中の敵を蹴散らしながらクラウド達は奥へ進んだ。

長い橋を目の前にして、クラウドが言った。

「この橋の奥が魔晄炉の中心点だな。行くぞ。」

全員が駆け出した。

「うっ・・・!?」

突然クラウドが立ち止まった。

頭を押さえうずくまる。


≪私は・・・神羅なんて大キライ!英雄セフィロスなんかにも興味なんてない!

でも・・・、クラウドが、ソルジャーになりたいって思ってるのなら・・・・

私は出来る限り応援する。でも・・・・・

・・・ううん、なんでもない。・・・頑張ってね、クラウド・・・。≫



「・・・ウド・・・クラウドっ!」

クラウドはハッとして顔を上げた。

が心配そうな顔で覗き込んでいる。

「クラウド、大丈夫・・・?」

「・・・・・。」

「え?」

「い、いや・・・気にするな。さぁ、先を急ごう!」

クラウドはさっと立ち上がる。

にはクラウドが何を言おうとしたのかわからなかったが、

何故だかクラウドが辛そうに感じたため、あえてその事に触れない事にした。


クラウドはジェシーが作った特別制の爆弾を仕掛けた。

「よし、さぁ、脱出だ。」

全員はまた駆け出した。あまりこの場にとどまっていると、魔晄炉ごと一緒にドカン、だ。

いくつものハシゴを上り、いくつもの階段を駆け上がり、やっと入り口付近までやって来た。

ドアはロックされているが、ドアの近くにボタンが四つある。

「四人同時にボタンを押せってジェシーが言ってたわ。」

ティファが言った。四人はそれぞれ別のボタンの配置に着き、手を構えた。

「「「「せーのっ」」」」

四人同時にボタンを押した。

何かがはずれるような音がした。ドアを見ると、ロックが解除されている。

成功したのだ。

四人は急いで入り口を出た。

「えっ!?」

ティファが声をあげた。

「な、何で・・・!?」

も続けて声を上げる。

魔晄炉を出てすぐ目にしたのは、たくさんの神羅兵だった。

「くそっ!どうなってんだ!?」

バレットが叫ぶ。

「・・・・ワナ、か。」

クラウドが諦めたように言った。

その時、何かの足音が聞こえた。コツ、コツ、と近付いて来る。

しかもその音は、魔晄炉の中から聞こえてくるではないか。

四人は魔晄炉に目をやる。

「プ、プレジデント神羅!?」

赤い悪趣味な派手なスーツを身にまとった中年の男。小太りなその体にスーツは似合っていない。

太鼓腹を揺らしながらこちらに近寄ってくる。

「何故プレジデントがここにいるの?」

が困惑して言う。

プレジデントはにやりとし、自分の顎を撫でながら言った。

「ほほう・・・、君達がアレかね。・・・なんて言ったかな?」

「アバランチだ!覚えておけ!お前はプレジデント神羅だな。」

クラウドはゆっくりとプレジデントに歩み寄る。

「久しぶりだな、プレジデント。」

「・・・ひさしぶり? ああ、君がアレかね。

アバランチとやらに参加しているという元ソルジャー。確かにその目の輝きは魔晄を浴びた者・・・。

その裏切り者の名前は なんと言ったかな?」

ニヤニヤと笑いながら言うプレジデント。

まるで人を嘲笑っているような言い方だ。クラウドは唇を噛み締め、言った。

「クラウド、だ。」

プレジデントは何も知らない、という顔をした。

「すまないがソルジャーの名前なんていちいち覚えとらんのでな。

せめてセフィロスぐらいにはなってもらわんと。

そう、セフィロス・・・。優秀なソルジャーであった。そう、優秀すぎる・・・な。」

「セフィロスですって・・・・?」

ずっと黙り込んでいたが口を開いた。

それに続くようにバレットが吠える。

「んなこたぁ、どうでもいい!もうすぐここはドッカン!!だぜ!ざまあみあがれ!」

普通なら相手が青ざめるシーンだろうが、プレジデントは余裕の笑みすら浮かべている。

「そうだな。キミたちウジ虫を始末するには高価すぎる花火ではあるが・・・」

その言葉にバレットがキレた。

「ウジ虫だと!?言うに事欠いて、ウジ虫だと!?

キサマら神羅は、この星を死に追いやろうとする寄生虫じゃねェか!その親玉であるキサマが 何を偉そうにホザく!」

プレジデントは、やれやれ、と首を振った。

「・・・そろそろキミたちの相手をするのにもあきたよ。

わしは多忙な男なのでな。もう、失礼させてもらうか。今日は、会食の予定があるものでな。」

「会食ですって・・・・!?ふざけるのも大概にしなさいよっ・・・・。

アンタ達神羅の所為で、どれだけの人が苦しんでると思っているのよっ!!!!」

が叫んだ。プレジデントはを見つめて言った。

「ん・・・?キミはそんなことを言っているが、キミも元ソルジャーなんじゃないのか?

その瞳の輝きは魔晄を浴びた・・・そう、ソルジャーの瞳ではないか。」

はハッとする。

クラウド達はの瞳を見つめた。

確かに普通の瞳ではない。

普通の者ならば茶色、または黒色の瞳のはずだ。

だがの瞳は淡く薄い紫色だ。それはがソルジャーだったという事を示していた。

「ちっ・・・違う!私はソルジャーなんかになった覚えはない!!」

「真実は変えられぬよ。とにかく私は忙しいのだ。キミたちの遊び相手は別に用意させてもらった。」

プレジデントはパチンと指を鳴らした。

それと同時に、何か大きな物が近付いて来る足音が響いた。

「な、何の音?」

「な、なんだコイツは!!」

ティファとバレットが退いた。目の前には大きな機械が立っていたのだ。

「我が社の兵器開発部が試行した機動兵『エアバスター』だ。

君たちとの戦闘データは今後の開発の貴重なサンプルとして利用させてもらうよ」

「・・・機動兵?」

クラウドが呟く。

「では、失礼。」

プレジデントは、やって来たヘリコプターに乗り込んで去って行った。

クラウドが慌ててヘリコプターを止めようとするが、無駄な努力だった。

「おい!クラウド、!とりあえずコレをなんとかするぞ!!」

「助けて!クラウド、!」

クラウドとは振り向いた。

狭い橋での戦闘なのだ。エアバスターを挟んで、バレット・ティファ組、クラウド・組に分かれてしまった。

「これ、ソルジャーなの?」

ティファが疑問符を投げ掛けた。

「まさか!ただの機械さ!」

クラウドは剣を構えながら叫んだ。機械は鉄砲を構える。

「何でもいい!ぶっ壊してやるぜ!!」

バレットの声を合図に、全員戦闘体勢に入った。

この戦闘では、クラウド達が圧倒的に有利だった。

クラウドがサンダラを唱えエアバスターを攻撃し、バレットとティファが打撃攻撃を受け持った。

そして味方が傷付けば、すぐさまがケアルの呪文で回復した。

見事なチームワークだ。


クラウドがエアバスターの頭上に跳び上がった。

「これで終わりだ!!凶斬り!!!!」

クラウドの必殺技、凶斬りが炸裂した。

クラウド達の勝利が確定したのだ。

「やったぞ!!」

安心した、その直後だった。

エアバスターが激しい爆発を起こしたのだ。

爆発によって橋が壊れ、その谷間にクラウドとが滑り落ちた。

「クラウド!!!!」

ティファが叫ぶ。

かろうじてクラウドもも鉄骨に掴まっているが、長くはもたないだろう。

「ティファ!もうすぐ魔晄炉の中の爆弾が爆発する! 行くぞ!」

「バレット!何とかならないのっ!?」

「あの状態じゃどうにもならねぇ・・・。」

クラウドはまだ大丈夫だろう。問題はだ。

クラウドに比べ力が少ないは、今にも落ちそうな状態だった。

「クラウド!!なんとかして生きて! 死んじゃダメ!話したいことたくさんあるの!」

「わかってる、ティファ・・・。俺は大丈夫だ。は大丈夫かっ?」

「ダ、ダメ・・・。もうっ・・・・力が入らなくて・・・。」

は手を離した。重力に引き寄せられて行くかと思いきや、クラウドが片手での手を掴んだ。

「くっ・・・。」

「クラウド・・・」

さすがのクラウドも厳しそうだった。それは当たり前だ。

鉄骨を掴んでいる片手に、人間二人の重さがかかっているのだから。

「おい!なんとかなりそうか?」

バレットが言った。クラウドはしばらく考えていたようだったが、言った。

「・・・自分の心配でもしてろ!俺はいいから、さっさと逃げろ!」

「クラウドも逃げなきゃっ!」

が言った。クラウドは視線を下に下ろす。

「手を離して!クラウド!私の重さがなくなれば、クラウド一人でも逃げられるかもしれない!」

「ふざけるなっ!これで終わりみたいな言い方はやめてくれ!!」

クラウドが言った直後だった。

大きな音と供に、視界が黒と赤に染まった。

熱風が吹いてきて、次の瞬間、は「重力」を感じていた。


ああ、とうとうクラウドは手を離したんだな。

早く私だけを離して、自分だけでも助かればよかったのに・・・。


そんなことを考えながら、は身を任せていた。

と、ぐいっと何かに引っ張られた。クラウドだった。

「クラ・・・ウド・・・?」

そこで、の意識は闇に溶けた―――――――――――――――――――。




<続く>



=コメント=
ふあっはっは!!(おい
うふふふv長くなっちゃったぁv(殴)
どおですかね、こんなもんで(笑)
これを全部うつのに一週間近くかかりましたからね(笑)
気に入ってもらえれば嬉しいんだけどなぁ・・・(おい
さぁさぁ、クラウド君とさん!
大!ピ・ン・チ!ですよ!
次回はどうなるんでしょうね〜v
新たな仲間キャラの登場ですv
ではv