[PR]動画 ドリーム小説

 





あの時より一歩強くなれた?第十三章




「うわぁ・・・なんだか懐かしいな・・・。」

エアポートに辿り着くなりが声を上げた。

は元々ここで働いていたのだ。そう思うのも不自然ではない。

「俺はここに来た事はない。、案内を頼む。」

「OK!」

に案内され、二人は館内に入って行った。さあ、問題はここからだ。

「「エッホ、エッホ!新社長、歓迎っ歓迎っ!急げ!急げっ!」」

目の前を兵士達が走り去って行く。クラウドとはいきなりのことで驚き、目を丸くしていた。

と、その兵士達の隊長と思われる男がクラウドとを見て怒りを露にした。

「こらっ! ま〜だ、そんな格好しているのか!こっちゃこい!ほれっ!! 部屋にはいらんかっ!」

二人は何が何だかわからないまま、部屋に押し込まれた。
 



「今日は新社長ルーファウスさまをお迎えする大切な日だってのに!ほらっ、着替えろ!」

目の前にはロッカーがある。二人はロッカーを開けた。

「神羅兵の制服だ。」

クラウドが呟いた。

「懐かしいな・・・。」

「無駄口たたくな! はよせいっ!」

二人は肩をすくめ、それぞれ更衣室に入ってカーテンを閉めた。

「神羅の制服か・・・。」

「初めて袖を通したとき誇らしく思ったわ・・・。いつからだったか憶えてないけど・・・」

「・・・こいつを着るのがたまらなく嫌になったんだ。」

二人は着替えを済ませ、更衣室から出て来た。隊長は目を細くする。

「ほ〜う!似合っとるじゃないか!お前達、お迎えの仕方は覚えてるだろうな!

・・・・忘れたって顔だな。しょうがない!教えちゃる!自分と同じようにやるんだぞ。」

隊長がそう言った途端、兵士二人が駆け込んで来た。

「隊長!! 自分らが手伝うであります!見本であります!」

「歌うであります!」

クラウドとは目を点にした。

「おうっ! 見せてやれぃ!!」

とりあえずバレないようにしなければならない。二人は兵士のふりをすることにした。

「まずは行進!! 歓迎パレードであります!」

兵士の一人が言った。この先は「兵士A」と「兵士B」で書かせてもらうことにしよう。

「ではっ!自分の歌声に合わせるであります!」

兵士Bが言う。クラウドとは背筋を伸ばした。

「静粛に〜〜!!ア〜ッ〜!ア〜ッ〜!こりゃこりゃ!さんはいっ!」

「行進始め〜!!」

「ル〜ファウス〜ル〜ファウス神羅〜、わ〜れらが〜神羅カンパニ〜あ〜たらしい社長〜」

「おいっちにっ!おいっちにっ!」

とりあえずクラウドとは行進の練習をした。

「隣の兵士と歩調を合わせて厳かに勇ましく歩くであります!皆の歩調が合ったら銃を掲げるであります!」

ふむ、なんとなくわかった気がする。

「わかったか!」

隊長に聞かれてクラウドとは戸惑った。が。

「完璧です!」

クラウドが言った。

「よろしい! 本番でも頑張るんだぞ!」

隊長に言われ、二人は行進の足をやめた。と、また一人の兵士が駆け込んで来た。

「ルーファウス様、到着です!準備完了です!」

さあ本番だ。二人は気を引き締めた。
 



が。





「いか〜ん!! 誰もおら〜ん!遅刻した〜!?」

隊長が悲痛な叫びを上げた。兵士達がいるはずのところに誰もいない。もう行進は始まってしまったのだ。

「こらっ! 新入り!!お前達がもたもたすっから!!」

何故自分達が怒られなきゃならんのだ。クラウドももそう思ったに違いない。

「隊長!! 近道するであります!」

兵士Aが言った。

「うむ!それはいい作戦だ!こっちゃこい!!」

 



狭い隙間にクラウド達はいた。目の前では行進が行われている。

兵士Aが言う。

「まずは、自分が行くであります!新入りさんは、よ〜く見て自分の真似をすればいいでありますよ!

後ろから、サササッとパレードのあいてる場所に忍び込むであります!」

「いいか! このパレードは全世界の神羅TVに生中継されておる!

無様な格好をさらせばジュノン軍隊全体の恥とな〜る。そこんとこ、肝に銘じて行動せい!

んだば!!自分が合図したら列に忍びこ〜め!

さりげな〜く、後ろから!列を乱すな!前から行こうとしてもダ〜メだぞ!

よしっ!! かけ足準備!!とっつげき〜!!」

二人はそそくさと行進の列に入った。

1、2、1、2、1、2、1、2・・・・

成功だ。だが。

「あっ。」

が転びそうになった。転びはしなかったが。 

 
<そして・・・・>

「なんだったんだ!? あの兵士二人は?」

TVプロデューサーが画面モニターを見ながら言った。

「さあ?」

「数字は上がったのか?視聴率は?」

「ズタボロです! ボク・・・・クビですかねえ?」

「なぬ!!お前はクビ〜!!あの兵士二人には爆弾でも送っとけ〜!」


後日談。

クラウドとの元に手榴弾が送られてきたらしい。



「うっし! 間に合った!」

隊長が言った。行進も一応は成功し、遅刻だけは免れたようだ。

ルーファウスがやってきた。

「ほれ! 静かに並んどれ!1歩たりとも動くなよ!」

「ご苦労。飛空艇はどうしたんだ?」

ルーファウスが言った。傍にいるのはハイデッカーだ。

「大陸間移動可能な飛空艇はまだ準備中なんですよ。あと3日待っていただければ。ガハハハハハ!」

「空軍のゲルニカもか?」

「・・・ガハハハハハ!」

「その笑い方はやめろ。もう親父のときのようにはいかないからな。」

ルーファウスはうざったそうにかぶりを振った。

「ガハ・・・」

「船の準備はいいのか?」

「それはすぐに、はい」

ルーファウスは再びかぶりを振ると、リフトに乗った。

ハイデッカーの顔は真っ赤だ。

「こらっ!こらっ!こらっ!」

ハイデッカーは兵士のクラウドにやつあたりをしてリフトに乗って行ってしまった。

何度か殴られたクラウドは、殴られた個所の埃をはらった。

ハイデッカーごときの攻撃、クラウドには痛くも痒くもなかった。

「災難だったな。」

兵士達が話しかけて来る。

「ハイデッカーはイライラしてるからな。黒マントの男が街をうろついてるのに発見出来ないんだ。」

とクラウドは顔を上げる。

「「黒マントの男?」」

二人の声が重なった。

「2、3日前に現れた。そいつに兵士たちが何人か殺されてなぁ。その後、行方不明さ。あの英雄セフィロスだって噂だぜ。」

そう、間違いない。セフィロスだ。

「こら〜っ! すみやかに解散せ〜っ!」

隊長が怒りながら言った。とクラウド以外の兵士は行ってしまった。

「おいっ!お前達っ!軍隊をなめとるんか?」

二人は顔を見合わせる。そして出た答えは・・・。

「「興味ないね。」」

「たるんどる!!おまえは休み時間な〜し!!こっちゃこ〜い!」

 


二人は隊長に連れられて先ほど行進の練習をした部屋に戻ってきた。

「軍隊をなめちょるな!!本日!!次の指令は港でルーファウス様のお見送りだっ!時間まで、みっ〜ちり指導しちゃる!」

なんだか気合いが入ってるなぁ・・・。クラウドとが同じコトを思ったのは言うまでもない。

「手伝うであります!」

「同じくであります!」

またあの兵士Aと兵士Bが駆け込んで来た。騒がしい軍隊だ。

今度はふーファウスを見送るときにポーズをとるらしい。

隊長の号令に合わせて二人は練習を始めた。

「うっし!まずはサークル!

「おっす!!」

「トライアングル!」

「おっす!!」

「スクウェア!」

「おっす!!」

「クロス!」

「おっす!!」

「レフトターン!」

「おっす!!」

「ライトターン!」

「おっす!!」

「どうだ! わかったか?」

わかったか・・・と言われても困る。でもまあなんとなくは理解出来た。

「「完璧であります!!」」

二人の声が重なった。

「よ〜し! 本番でも頑張るんだぞっ!」

隊長の満足そうな顔といったら見物だった。

「隊長!! 本日のスペシャルポーズは?」

「んっ?・・・決めてない。」

隊長としてこれでは失格だ。

「よしっ、新入り!!特別にお前に決めさせてやる!得意のキメポーズ、やってみろ!」

隊長はクラウドを指差して言った。クラウドは肩をすくめる。

そして小声でに話しかけた。

『どうすればいいんだ・・・?』

『適当に・・・。戦い勝利のポーズでもやったら?私クラウドのあのポーズ気に入ってるの。』

クラウドはなるほど、と頷いた。

「そうだな・・・。俺の得意なのは。」

ちゃらららーらーらーらっららー♪(戦闘勝利音楽)

クラウドは銃を回転させて持ち直した。

「おおっ〜!」

「かっこいいであります!」

「よしっ!!本日のスペシャルはこれに決まり!よ〜くっ! 練習しとけっ!」

「はっ!!」

「では! 港に集合!! 遅れるな〜!!すわっ! 解散っ!!」

隊長と兵士達は出て行った。

クラウドとはため息をつく。

「なんか疲れるねぇ・・・。」

「ああ・・・・。」 





「よ〜し、時間だっ!整列っ〜!」

船の前にクラウドとはいた。他の兵士と並び、ルーファウスが来るのを待っていた。

がクラウドに囁いた。

『ねぇ・・・クラウド・・・。あそこにいるの、エアリスだよね・・・。』

クラウドが視線を泳がせる。

「ルーファウス・・・様、到着よ!」

ぎこちない言い方で兵士が言った。そう、あれはエアリスだ。

ルーファウスがハイデッカーを連れて登場した。

「いざっ本番!!ジュノン軍隊式お見送り〜!軍人らしく、元気よ〜く!さんはいっ!」

「クロス!」

「サークル!」

「ライトターン!」

「スクウェア!」

「レフトターン!」

「クロス!」

「ライトターン!」

「スクウェア!」

「ライトターン!」

「トライアングル!」

「すわっ! 最後は決めるぞ!!スペシャ〜ル!!」

ちゃらららーらーらーらっららー♪(戦闘勝利音楽)

「素晴らしい。よく練習したんだな。増給も考えるぞ。ご苦労であった。」

ルーファウスは胸を張って船に乗り込んだ。

その時にルーファウスとハイデッカーが話した言葉をクラウドとは聞いた。

「セフィロスがここに来たという噂が広まればクラウド達も現れるはずだ。」

「見つけ次第ヒネリ潰します!」

「邪魔をされてはかなわんからな。」

「お任せ下さい! ガハハハハハハ!」

「やめろと言ったはずだが・・・。」

「ガハ・・・。」



 


「よーしっ! 解散!」

隊長が言った。

「おい、お前達知ってるか?何でも本社の宝条が会社をやめると言い残して行方不明になったらしいんだ。」

兵士に言われた。クラウドとは顔を見合わせる。

「ハイデッカーはその捜索も任されたらしいからな。イライラが増幅する訳さ。」

「こらーっ! 解散だと言っとろうが〜!後片付けが残っちょる!はよせいよ!」

隊長と兵士達は行ってしまった。クラウドとは本日何度目かのため息をついた。 

「さ、早く船に乗りましょ、クラウド。」

に言われてクラウドは頷いた。

二人は船に乗り込んだ。



俺たちは新たな大陸に向け、海を渡る。

神羅の軍服に包まれながら・・・・・・・。

 

<続く>

=コメント=
やぁっとルーファウス歓迎式典が終わりました〜v
次回はさんとセフィロスの再会ですよ!
さあさあ、どうなっちゃうんですかねっvv(おい
あー、楽しみだワサ!(おい