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あの時より一歩強くなれた?第十一章




「わっ!クラウドっ!そっちそっち!」

「こっちかっ!!」

「クラウド、お前は右から回れ。私は左、はそのまま直撃だ。」

いきなり訳のわからない会話から始まって、あなた方読者は頭にクエッションを並べていることだろう。

クラウド達は今、チョコボファームの回りの野原でチョコボを捕まえようとしていた。

ジュノンに行くにはミスリルマインという洞窟を抜けなければならない。

だが、その洞窟の入り口に辿り着くまでに湿地帯があり、その湿地帯に『ミドガルズオルム』という大蛇が現れるのだ。

ミドガルズオルムとは、身丈10メートルほどになるヘビの・・・言ってしまえば化け物だ。

ミドガルズオルムに捕まってしまえば恐らく生きてはいられないだろう。これは予想というより確信に近い。

チョコボファームで話を聞いたところ、チョコボで湿地帯を駆け抜ければほぼ安全なのだそうだ。

だが、チョコボを捕まえるには『チョコボ寄せ』のマテリアを使わなければならない。

その事を聞いたところ、なんと2000ギルという大金で『チョコボ寄せ』のマテリアを売り付けられてしまった。

クラウド達の懐は寒い。

「クラウドっ!!後ろっ!後ろ!」

が叫ぶ。クラウドは即座に振り向き、自分の後ろですましているチョコボに跳びかかった。が。

「くっ!」

チョコボはまるで嘲笑うかのようにテクテクと軽くかわしてしまった。

「こうなったらやっぱり挟み撃ちしかないわね。」

が呟く。もちろん異議を唱える者はなかった。

「よし、一気に行くぞ!!」

クラウドの合図で、三人でチョコボに跳びかかった。これではさすがにチョコボに逃げ場はない。

あっさりと捕まってしまった。

「最初からこうしていればよかったのだ・・・。」

レッド13が呟く。否定出来なかった。

「さ、どうする?チョコボ一匹じゃ、せいぜい二人しか乗れないわ。

私思うんだけどさ、レッド13の足の速さってチョコボと大して変わらないんじゃないの?」

レッド13は胸を張って言った。

「もちろんだ。甘く見られては困る。私だったらこんなヘッポコチョコボよりも速く走れるさ。」

『ヘッポコチョコボ』が悪かった。レッド13はチョコボに突つきの刑を食らっていた。

「それじゃ決まりだな。俺とがチョコボに乗り、レッド13は悪いが後からついて来てくれ。」

二人ともしっかりと頷いた。





「きゃぁぁぁっ!クラウド!速く速く!追いつかれちゃう!!」

がクラウドの背中にしがみつきながら言った。

クラウドはこの状況を「悪くはないな」などと思いつつチョコボを走らせていた。

それからもうひとつ。

レッド13の速さは並のものではなかった。見事にチョコボと同じ、あるいはそれ以上の速さで走っている。

この調子なら余裕でミスりルマインに入れるだろう。

ミスリルマインの入り口が見えて来た。自然とチョコボの速さは加速する。

「一気に行くぞ!」

クラウドとの乗ったチョコボは一気にミスリルマインの入り口に飛び込んだ。レッド13も後に続く。

ミドガルズオルムは湿地帯から出られないのだ。

つまり、湿地帯を出てしまえば怖い者ではない。

「!?きゃっ・・・・。」

洞窟の入り口の外を見て、が声を上げた。

何事かとクラウドとレッド13も外を見る。

「!?っ・・・これはっ・・・。」

「セフィロスが・・・やったのか・・・。」

それは見るに忍びないものだった。

ミドガルズオルムの櫛刺しにされた惨死体。頭と尾が一本の細い木に刺さっていて、舌がだらしなくだらりと垂れている。

まだ異臭はないはずなのに、は顔をしかめると同時に口と鼻を手で押さえていた。

「・・・こんなことをするヤツが、私達の相手なのか。」

レッド13が呟く。

「違うっ・・・。セフィロスは・・・以前はこんなことするような人じゃなかった・・・。

優しい人だったのに・・・。どうして・・・。何がセフィロスをこんなふうにしてしまったの・・・。」

クラウドはとミドガルズオルムの死体を見比べていた。

何故はここまでセフィロスを想い哀しむ?

哀しむ必要などない。自分達は奴を倒すために旅に出たのだから。

なのにどうして。奴を想い哀しむのだ。

クラウドは苛つきを覚え、一回深いため息をついた。

「・・・行くか。」

レッド13が言った。ここで立ち往生していても何にもならない。

自分たちは先に進むだけだ。

「・・・そうね。早くセフィロスを見つけなきゃ・・・。」

も言った。クラウドは頷く。

「じゃあ、ミスリルマインを越えるぞ。」

三人はミスリルマインの中に入って行った。




幾度となくモンスターと出会い、何度も何度も戦闘を繰り返して大分奥まで来た。

勘だけで言うと、もうそろそろ出口が近いはずだ。

「出口だ。」

クラウドが言った。なるほど、前には光が溢れる出口があった。

「ちょっと待った!!」

三人は振り返る。声で、仲間の声ではないと判断したのだ。

低い声。悪意に満ちたような声。そこには、スーツに身を包み、サングラスをした男が立っていた。

「・・・あなたは誰?」

が当たり前の質問を投げ掛ける。男は言った。

「俺が誰だかわかるか?」

なんとなくわかる。その風体を見れば。

「タークスだろ?」

クラウドが言った。

「知っているのなら話は早い・・・。俺達タークスの仕事を説明するのは難しいからな・・・。」

「人攫いだろ?」

クラウドが迷う事無く言い放つ。男は気を悪くした様子も見せずに続けた。

「悪意に満ちた言い方をするとそうなる・・・。・・・しかし 今はそれだけではない。」

と、そこまで話して男は黙り込んだ。

「・・・・・・・・・・・。」

やはり何も話そうとはしない。

「・・・・・・・・・・・。」

「先輩!」

また別の声がした。今度は女性の声だ。

「ルード先輩! しゃべるの苦手なんだからムリしないで下さい。」

女性が姿を現す。クラウドと同じ金髪の女性だ。

髪は短く、タークスのスーツを着ている。

男・・・ルードは言った。

「・・・イリーナ、頼む。」

イリーナは頷いた。クラウド達に向き直る。

「あら、イリーナじゃない。お久し振りね。あなたやっとタークスになれたの?おめでとう。」

嫌味たっぷりの声でが言った。そう、は元タークスなのだ。

イリーナがタークス見習いの頃、顔を合わせていたことも何度かあるのだろう。

イリーナはを見て思い切り嫌そうな顔をした。

「・・・先輩ですか。確かに久し振りですね。先輩こそ、神羅から逃げ出せていたんですね。

私はてっきり神羅から逃げ出す事が失敗して、とっくにこの世にいないって思ってましたよ。とにかくおめでとうございます。」

負けじとイリーナが言い返す。は「お生憎さま」と余裕を見せながら言い、

「ごめんなさいね。私、神羅の兵士やソルジャーを相手にするくらいどうってコトないの。」

と、付け加えた。完璧にイリーナの負けである。

「・・・私、タークスの新人のイリーナ。レノがあんたたちにやられてタークスは人手不足。

・・・・・・おかげで私、タークスになれたんだけどね・・・・・。」

「なんだ、じゃあ、実力でタークスになれたんじゃないんじゃない。」

再びが口を挟む。イリーナはムッとした表情を見せたが、また冷静な顔に戻り続けた。

「ま、それはともかく私達の任務はセフィロスの行方をつきとめること。

それからあんたたちの邪魔をすること。あ、逆だったか。私達の邪魔をしてるのはあんた達だもんね。」

「・・・イリーナ。喋り過ぎだぞ。」

三度別の声がした。今度はツォンだった。

「ツォンさん!?」

イリーナが驚きの声を上げる。何もそんなに驚く事はあるまいに。

「我々の任務を、彼らに教えてやる必要はない。」

「すいません・・・ツォンさん。」

イリーナが沈んだ。は心の中で「いい気味」と思っていたとかいないとか。

「お前達には、別の任務を与えてあったはずだ。行け。定時連絡を欠かすなよ。」

ツォンは上司らしくそう告げた。イリーナはハッとして顔を上げる。

「あっ!そうでした!それでは、私とルード先輩は【ジュノンの港】へ向かったセフィロスを追いかけます!」

・・・・カラスの鳴き声が似合いそうな場面である。

クラウド達から見れば「してやったり」ということなのだが。

「そっか。セフィロスはジュノンへ向かったのね。」

が追い討ちをかける。ツォンはため息をついた。

「・・・イリーナ。私の言葉の意味がわからなかったようだな。」

「あっ! す、すいません・・・。」

ツォンは再びため息をついた。

「・・・行け。セフィロスを逃すなよ。」

「「はっ!」」

ルードとイリーナは返事をする。と、ルードが立ち止まって言った。

「・・・レノが言ってた。君達に負わされたケガが治ったら挨拶したいと。親愛なる君達に新しい武器を見せたいそうだ。」

そう言い残し、ルードとイリーナは去って行った。

「さて・・・。」

ツォンが口を開く。

「エアリスは一緒ではないのか?」

「エアリスとは別行動をとっている。ここにはいない。」

クラウドが言う。ツォンは面白くなさそうに「やれやれ」とかぶりを振った。

「エアリスに伝えてくれ。しばらくの間、エアリスは神羅からは自由の身だ。セフィロスが現れたからな。」

「・・・伝えておこう。」

「あと、あまり会えなくなるが元気でな、と。」

「あなたがそんなこと言うなんて不思議ね。」

ツォンは苦笑を浮かべた。

「ときに。神羅に戻る気はないか?」

「ありません。」

は即答で答えた。

「お前が戻れば神羅も安泰だ。またタークスとして私とやり直さないか?」

「嫌です。」

またまた即答で答えた。ツォンは苦笑いを浮かべる。

「そうか・・・それは残念だな。だが言っておこう。レノも私もルーファウスさまも、

皆お前が帰って来ることを望んでいる。神羅は諦めないだろう。もちろん私も諦めるつもりはない。

いつか必ず後悔させてやる。クラウド達について行ったことをな。

仲間がお前の弱点だ。せいぜい、その弱点を突かれぬように注意することだな。」

ツォンはキッパリと言い放った。の顔に一瞬戸惑いの色が見える。

「では、諸君。できれば神羅の邪魔はしないでもらいたいものだな。」

ツォンは踵を返して去って行った。

「・・・相変わらずヤな性格ねー。」

が呟いた。クラウドやレッド13も苦笑いを浮かべる。

「じゃ、気を取り直してジュノンへ向かうとするか。」

「イェッサーっ!」

がふざけてそんな返事をする。クラウドは吹き出した。

「あら酷い。なんで笑うのよ!」

がそんなこと言うと思わなかったんだよ。」

「むー。」

クラウド達は笑いながらミスリスマインを後にした。





「・・・?」

ジュノンが近くなるにつれ、だんだんと会話数が減ってきたにクラウドが声をかける。

「・・・え?」

「どうしたんだ?どこか具合が悪いのか?」

「え〜っと・・・。いや、そんなことないけど?」

明らかに様子が変だ。

「ジュノンは久し振りなんだろ?知り合いもたくさんいるんじゃないのか?」

「え〜・・・そりゃ、まぁ・・・いるけど。」

クラウドは首を傾げる。

「あ、あのさ、レッド13!あのね、ちょっとお願いがあるんだけど。」

レッド13とクラウドは顔を見合わせる。レッド13はおずおずと聞いた。

「・・・なんだ?」

「あのね、ジュノンに入る時、私を背中に乗せてくれないかな?私、姿が見えないように布を被ってるから。」

クラウドとレッド13はまた顔を見合わせた。

「・・・どうしてそんなことを?」

「えっと・・・。うん、ちょっとジュノンの皆を脅かしたいなぁ〜・・・って・・・。」

嘘だ。目が泳いでいる。それに理由を言うまでに間があった。これは間違いなく嘘だ。

「・・・別に私は構わないが。」

「本当!?ありがとう〜!」

はレッド13の首に抱きついた。レッド13はタジタジになる。

「・・・おい、あれ、ジュノンじゃないのか?」

クラウドが指差して言った。とレッド13はクラウドの指差した方向を見る。

「あ、ホントだ。あれがジュノンよ。」

三人はジュノンに向かって歩を進めて行った。




三人はジュノンに入る。もっとも、レッド13の背中には布を被ったが乗っかっていたが。

「・・・・やけに寂れているな・・・。」

クラウドが呟いた。この村の地理もまったくわからない。

クラウドは近くを歩いていた老婆に声をかけた。

「ここはどんなところだ?」

老婆は振り返る。旅の格好をしているクラウド達を見て少し驚いているようだ。

「なんだね、あんた達。どこから来たんだい?」

「黒マントの男を見なかったか?」

老婆の問いには答えず、クラウドが聞いた。老婆は考え込んだが、

「さぁ・・・。そんな人、とんと見かけんねぇ。」

おかしい。セフィロスはジュノンに来ているはずなのだ。見かけないとは変だ。

「・・・?お前さん、その動物の上に乗っている人はどうしたんだい。」

老婆の問いに、クラウドはどう答えたらいいか少し迷った。だが、嘘も方便。の頼みを裏切る訳にはいかない。

「ああ・・・旅の途中で気分を悪くしてしまったんだ。」

クラウドのハッタリ。演技力としてはギリギリだ。だが老婆はそんなこと気にした様子はなかった。

「そうなのかい・・・。体には気を付けなされよ。」

よかった。バレてない。クラウドは礼を言い、その場から離れようとした。

「・・・!?ちょっとお待ち!!」

ビクリと体を震わせ、クラウドは振り向いた。

「・・・そ、その動物の上に乗ってる人・・・ま、まさかっ・・・。」

老婆がガタガタと震え出す。

「そ、その青い髪っ・・・・。間違いないよっ・・・。」

の舌打ちをする音がはっきりと聞こえた。

被っていた布からの髪がはみ出ていたのだ。老婆が叫び声を上げた。

だよっ!!!皆の衆!!化け物が帰って来ちまったよっ!皆の衆!!!」

村中の家々から罵声が飛ぶ。

だとっ!?」

「あの化け物め、今になって何故帰って来た!!」

「坊や!危ないから家の中に入りなさい!!」

罵声の数はだんだんと増えて行く。

もうダメだ。完全にのことが気付かれてしまった。

と、が布から飛び出した。

!!」

走って行くの背中に向かってクラウドが叫んだ。だがの足は止まらない。

「この化け物めっ!!!」

男が飛び出して来た。手にはライフルを持っている。

「神羅の回し者がっ・・・。何故帰って来た!」

は腰に手を当てて言った。

「別に帰って来た訳じゃないさ。旅の途中の通過点だよ。いつ来てもこの村は変わらないんだな。」

いつものとは全く違う口調。男は鼻で笑った。

「ハッ!馬鹿が!そんな訳ないだろ!どうせこのジュノンの村人全員を皆殺しにしようと戻って来たんだろ!!エッ!?」

「こんな寂れた村のヤツら何人殺したって変わらないさ。それよりもアタシは忙しいんだ。そこどけよ。」

「殺されるとわかってどくヤツがいるかっ!!さっさとくたばっちまいなっ!」

男はライフルを構える。だが、標的のがいない。

「悪いな。まだくたばる訳にはいかねぇのさ。」

頭上から声がした。とんっという衝撃が首筋に走り、男の意識は暗転した。

・・・。」

クラウドが後ろに立っていた。

「あーあ・・・バレちゃった。」

が呟いた。そしてクラウドに振り向き、言った。

「ごめんね。」

「・・・一体何があったんだ・・・。」

「・・・あのね、私、親友を殺しちゃったの。」

寂しそうな瞳で言う。クラウドは何と言ったらいいかわからずに立ち尽くした。

「だから、私このジュノンでは嫌われ者。ジュノンの皆に迷惑かけたくないからこの村を出たんだよ。」

「・・・・。」

「迷惑かけたくなかったから隠れてるつもりだったんだけどね、失敗しちゃった。」

はふぅと息を吐いた。

「いたぞ!こっちだ!!」

「おのれ化け物めっ!!生きては帰さん!!」

村人が何十人と集まって来た。は大声で言った。


「悪いな村人ども!アタシはこんな村に興味はないんだよ!!」


はそのまま海岸の方へ走って行った。村人が追いつく速さではない。

「まずいぞ!!プリシラが海岸で遊んでおる!!」



「ねぇ〜!イルカさ〜ん!!」

小さな少女が海岸で遊んでいる。少女が呼ぶと、イルカが寄って来た。

「私の名前はね プ〜リ〜シ〜ラ! はい、言ってみて!」

イルカが嬉しそうに鳴き声を上げる。プリシラはケラケラと笑った。

「あ・・・。」

は立ち止まった。目の前にいる少女が、かつての親友と重なって。

気配を感じてプリシラが振り返った。二人の視線が交わる。

「あなた誰?・・・もしかして神羅の人間!?」

は首を横に振る。

「残念だけど違うわ。」

「俺達は神羅とは無関係だ。」

後ろからするはずのない声がしては振り返った。

クラウドとレッド13がいた。少し驚きを隠せない。

「・・・という訳なんだ。」

簡単に自分達のことをプリシラに話す。プリシラは信じられないと言った。

「信用出来ないわ!ここから出て行って。」

お手上げ状態だ。

「参ったな・・・。」

クラウドは困った表情を浮かべ、何気なく地平線の向こうを見つめた。

「!?おい!あれを見ろ!!」

クラウドの顔が驚愕の表情へと変わった。とレッド13は視線を地平線へと移し、そして驚いた。

「何・・・あれっ・・・!!」

「モンスターだ!!」

モンスターはイルカを襲い始めた。プリシラが慌てる。

「イルカさんが危ない!!」

「あっ!危ないから行っちゃダメ!!」

が制したのにも関わらず、プリシラはイルカへと駆け寄った。

だがモンスターが無視をするはずがない。プリシラを尾で打ち、なんと水に沈めてしまった。

「おい!助けるぞ!!」

クラウドとは剣を構えた。

モンスターのボトムスウェアとの戦闘開始だ。



「クライムハザードッ!!」

「ケアルラ!!」

クラウドのクライムハザードが炸裂した。その直後すかさずがケアルラで回復する。

ボトムスウェアはひるまなかった。

ボトムスウェアの口元から大きなシャボン玉のような泡が出て来た。

「な、何!?」

泡は目掛けて飛んでくる。避けきれなかった。

「きゃぁっ!!」

泡がを包んだ。その瞬間、の体は重力にたえられなくなる。

!!」

は地面に座り込んだ。泡が解かれる様子はない。

泡の中ではが苦しそうに息をしている。どうやら体力がものすごいスピードで奪われているようだ。

このままでは戦闘不能、いや、死んでしまう可能性もある。

「くそっ!!!レッド13!次で決めるぞ!!」

「もちろんだ!!」

クラウドは剣を構え直した。を酷い目に合わされて、彼のリミットは最高までたまっている。

「くらえっ!クライムハザードッ!!!」

「スレッドファング!!!!」

二人のリミット技が炸裂した。

勝った。

ボトムスウェアは光を放ち、その光が消えたときにはボトムスウェアの姿も消えていた。

それと同時にを包んでいた泡も消えてなくなる。

はもう立つことも出来ずにその場に崩れ落ちた。

!!」

クラウドとレッド13は慌てて駆け寄る。そしてすぐさまポーションでの体力を回復した。

「大丈夫か?」

「ん・・・。ちょっとキツかった。恐らくもう平気・・・。」

はケアルで再び自分の体力を回復する。そしてハッと気付く。

「プリシラちゃんはっ!?」

がスクッと立ち上がり、水に浮かんでいるプリシラに向かって駆け出した。

プリシラを両腕に抱え、海岸に上がって来る。

急いで地面にプリシラを寝かせ、呼吸を確かめる。

「ダメだわっ・・・。息してないっ・・・。」

が唇を噛み締めて言った。クラウドとレッド13は驚愕の表情を浮かべる。

プリシラが息をしていないから驚いたのではない。

クラウドとレッド13が驚いた理由は、が取った行動にあった。

「プリシラ!」

後ろからしわがれた老夫の声がしてクラウドとレッド13は振り返った。

どうやらプリシラの祖父のようだ。

「お、お前は・・・。」

は必死にプリシラに人工呼吸を行っていた。これが最後の望みだと信じて。

老夫はそれ以上何も言わずにその姿を見守った。

「う、う〜ん・・・。」

「プリシラちゃん!」

プリシラがかすかに声を上げ、肺にたまっていた水を吐き出した。

もう大丈夫だ。の顔に安著の色が浮かぶ。

「おお、プリシラ!大丈夫かの?」

老夫がプリシラを抱え上げ、村の方へと歩いて行く。は黙ってその姿を見送った。

「おお、そうじゃ。後でお仲間の皆も一緒にわしの家へ来るがいい。」

「へっ?」

いきなり予想外のことを言われ、はヘンテコな声を上げた。だが老夫は振り返らなかった。





<続く>



=コメント=
ああvこの話が書きたかったんですよ!
村人に蔑まれるさんっv
でもその酷い態度にはちゃんとした理由があると!
まぁその理由は次回で明らかになります。
ってゆーか、ボトムスウェアの泡!!
あれ本当にムカツイタ!!(怒)
攻撃も出来ない、回復してもすぐにHPは減ってくし、
どうすりゃいいんだぁぁぁっ!!みたいな(笑)
次回はルーファウス式典まで行きそうですね(笑)
クラウドくんと一緒に紛れこんじゃおうの巻〜vv
ではv