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あの時より一歩強くなれた?第一章




「・・・ここは一体何番街なんだろう・・・。」

は頭を抱えて座り込んだ。

何かに引き寄せられてミッドガルにたどり着いたのはいいものの、

今自分がどこにいるのかが把握出来ずに途方に暮れていたのだ。

辺りはガラクタやゴミで埋まっている。

は少しゴミの山を掻き分けてみた。

ここ2日間ほど、水以外の何も口にしていない。

ほんの少しの食べ物のかけらでもあったら・・・

そんな思いは虚しく、ゴミの山からはプラスチックや鉄などの破片が出てくるだけだった。

ますます虚しくなり、は膝を抱えてその上に頭を乗せた。

「私・・・こんなとこで死ぬの?しかも餓え死に・・・?」

は静かに目を閉じた。

どっちにしろ今はもう疲れてしまって動く事が出来ない。

「おい!アバランチとかいう反神羅グループが、神羅の魔晄炉を爆破させたらしいぞ!」

「マジかよ!?すっげーな!そいつら!えっと・・・アバルンタ・・・だっけ?」

「アバランチだよ!ア・バ・ラ・ン・チ!まだ第壱魔晄炉だけらしいけど、

そいつらは全部の魔晄炉を爆破させる気でいるらしいぜ。すげーよなー!」

神羅という言葉に反応して、は目を開けた。

男二人が、あーだこーだと興奮しながら話している。

「色黒のごつい男がリーダーらしいんだけどよ、そいつの側になんとも驚く美青年が一緒にいたんだとよ!」

「ほぉ、どんなヤツなんだい?」

「なんでも見事な金髪で、青い光を帯びた瞳を持つ青年なんだと。でもそいつ、元ソルジャーらしいぜ。」

はハッとして顔を上げた。

「金髪・・・?元・・・ソルジャー・・・?」

男二人がの方を向く。

「お、こんなとこに女の子が一人でいるなんて珍しいな。見かけない顔だな、旅人かい?」

「今・・・金髪で元ソルジャーの青年って・・・」

頭の中に一人の少年の顔が浮かんでは消えた。

だが金髪の青年なんて五万といる。けれど、の勘が拒否を許さなかった。

「あぁ、アバランチの新入りの青年のことだな。チョコボみてぇなツンツン頭で、大きな剣を振り回すんだと。」

「あのっ・・・名前とかわかりますかっ!?その青年の・・・。」

「あぁ?ん〜・・・名前って言われてもなぁ・・・確か・・・新聞に載ってたはずなんだが・・・。」

「あぁ、載ってただろ。でもチラっと見ただけだからなぁ・・・。」

男達は困ったように頭をかく。は息を飲んで二人の男を見つめた。

「あぁっ!そうだよ、思い出した!えっと・・・ク・・・クラ・・・、何だっけ?」

「クラぁ?そんな中途半端な名前じゃねぇぞ?クラ・・・クラウディ?」

何か違う気がする。

「あぁ、クラウドだ!クラウド=ストライフ!」



ドクンッ



「ク・・・クラウド・・・!?」

「おう、クラウドだ。ん〜、お嬢ちゃん可愛いから俺達のとっておきのウワサをおしえてやるよ!」

顎に手を当て、男はの顔を覗き込んだ。

「どうやらそのアバランチとかいうやつらは、七番街にいるらしいぜ?」




その言葉を聞いた途端、は七番街に向かって走り出していた。

疲労と空腹で動けないはずの体に鞭打ち、は走った。

頭には意地悪く微笑んでいる少年の顔。

「・・・クラウドッ・・・・。」

小さな石につまづき転んだ。でもにはどうでもよかった。

クラウドに会いたい。

その気持ちだけがの体を動かした。




ー七番街ー

荒くなった息を落ち着けながら、は辺りを見渡した。

アバランチのアジトとは一体どこにあるのか。

何もわからないのだから、人に聞くしかない。

「あのっ・・・。」

「はい?なにかご用?」

妙に色っぽい女が返事をする。

「あのっ・・・、アバランチ・・・、反神羅グループ、アバランチのアジトってどこにありますか?」

女は頬に指を当てる。腰をくねらせて考えこんだ。

「アバランチのアジトねぇ〜。アジトの場所は誰も知らないのぉ。

でもねぇ、ついさっきアバランチの人達が、あそこの酒場に入って行ったわよぉ?」

女が酒場を指差す。は軽く礼を言うと、酒場に向かって歩き出した。

扉の前で息を整える。


ここにクラウドがいる。


そう考えると、とても会いたかったとは言え、どうしても足がすくんでしまう。

「てっ・・・てやんでぃ!たかだか幼馴染じゃないのよっ。人・人・人っ・・・。」

は手に「人」と三回書いて飲み込んだ。

「よしっ!」

ドアノブに手をかける。だが。




ガチャ   ごん




「・・・ん?」

「っつあぁぁぁぁぁっ!!」

は額を押さえてうずくまった。

開けようとしたドアが自動的に開いた。いや、内側から誰かがドアを先に開けたのだ。

「んっ!?だ、誰だぁっ!?」

涙目で上を向くと、色黒のものすごい筋肉を持った男が自分を見ている。

「なんかウチに用かい?お嬢ちゃん。」

気を取り直しては立ち上がった。額が少し腫れているのは気のせいだろうか。

「あのっ、ここにクラウドさんはいますか?」

「んぁ?クラウド?お前、クラウドの知り合いか。」

男はドアの奥に顔だけを戻して大声で言った。

「おーいクラウドさんよぉ!お前に面会だぞ!すっげー美人なベッピンさんだぜぇ!」

の胸がドキンっと跳ね上がった。

「・・・俺に面会?」

姿が見えない主の声がする。

色黒の男の人がドアの奥に引っ込み、その代わりに美しい青年が出てきた。

「ク・・・ラウド・・・?」

「・・・?どこかで会った事があったか?」

彼は自分を認識していない。

「あなた・・・は・・・ニブルヘイム出身の・・・・クラウド・・・ストライフよね・・・?」

「・・・どうして俺を知ってる?」

は涙が出そうになるのを堪えた。彼に跳びつきたい欲望を押さえる。

何せ彼はの事が誰だかわかっていないのだ。

知らない人に跳びつかれては誰でも困ってしまうだろう。

「・・・です・・・・。です・・・・。」

恐る恐る自分の名前を告げる。

はっきりとわかった。名前を告げた瞬間、彼の目の色が変わった。

驚いているような、少し嬉しそうな喜びを帯びた瞳。

っ!?」

「やっぱりクラウドだっ!!クラウドっ!!」

今度こそ、と思い、はクラウドに跳びついた。

クラウドは何の迷いもなくを抱き締める。

?」

家の奥から女性の声がした。の目が女性の姿をとらえる。

「・・・ティファ!?」

なのっ!?」

クラウドから離れ、今度はティファに抱きつく。

!あなた生きていたのねっ!!」

「当たり前!ピンピンしてるわよ!!・・・って言いたいとこだけど、この2日間ほど何も食べてないの。

何か食べさせてくれる?あの・・・その・・・、お金は今全然ないんだけど・・・。」

ティファは唖然とした表情をして、そのすぐ後に笑い出した。

「もちろんよ!お金なんていらないわ!私達、そんな事気にする仲じゃないでしょ!」

「〜〜〜だからティファ大好きよぉ!ありがとう〜!」

とにかく玄関で長話もなんだから、は家の奥に通された。



家の奥は小さなバーになっていて、はその中の椅子の一つに腰掛けた。

クラウドもその隣に座る。

「本当に久しぶりだな・・・。七年・・・か?」

クラウドがを見つめて口を開いた。

も少し考えて答える。

「うん・・・。七年くらいになるわね・・・。」

少し遠い目になる。

クラウドがソルジャーになると言ってニブルヘイムを出てしばらくした後、

もニブルヘイムを出たのだ。

ジュノンに引っ越す事になったのだった。

その時はティファも村の人々も泣いて、別れを惜しんでくれた。

ジュノンに引っ越した後、はだんだんと神羅が嫌いになっていった。

それは、色々なことを知ったからだった。

魔晄エネルギーを使えば使うほど星の寿命が短くなる事。

金で人々を押さえるブレジデントのやり方。

そして・・・

神羅は、ごく普通の人間をモンスターとして改造していたと言う事。

そんな事を知っていくうちに、は神羅の全てが嫌いになった。

だがクラウドはそんな神羅のソルジャー。

複雑な思いを抱いていたのだ。

「はい。ティファちゃん特製ミートソーススパゲッティよ!」

ティファの声で現実に引き戻される。

目の前の皿には、湯気を立てている、実に美味しそうなスパゲッティが盛られていた。

「うわぁ、美味しそう!頂きますっ!」

はスパゲッティを頬張った。

クラウドはその様子をじっと見ている。

そんな視線に気付いたのか、は手を止めてクラウドに言った。

「・・・ソルジャーになって、どうだった?」

クラウドは視線を落として言った。

「・・・辛かった。ソルジャーになるまで、ものすごい努力を必要とされてたからな。

でも、俺はソルジャーになるって決めてたんだ。だから頑張った・・・。

セフィロスを思って、俺もあんな男になるんだって・・・頑張ってたんだ・・・。

・・・でも今は違う。俺は神羅を憎んでる。それだけは確かだ。」

クラウドの瞳が、キラリと光ったように感じた。

魔晄を浴びた瞳。ソルジャーの証。

「おーい、ベッピンさんよ。あんたクラウドを探してここまで来たんだろ?

これからどうするつもりなんだ??」

奥から先ほどの色黒の男が出てくる。

「バレット、急にそんなこと聞かれたって、だって簡単に答えられないわよ。」

どうやら男の名はバレットと言うらしい。

は少し考えこんだ。自分はこの先どうすればいいのだろうか。

「・・・ねぇ、確か今クラウド達は、神羅相手に戦ってるのよね?」

「正確には、【俺達】ではなくて【アバランチ】だけどな。」

「ねぇ、私も連れて行ってよ!私も神羅に怨みを抱いてるんだから。」

は「ごちそうさま」と言い、フォークとスプーンを置いた。

「いいのか?」

「うん、私がそうしたいの。私の事は心配しなくても大丈夫。私、こう見えても戦闘は得意なのよ?」

クラウドは少し微笑んだ。

例えが危ない目にあっても、自分が守ればいいのだから。

「・・・ああ、一緒に行こう。」

「本当!?」

「俺がに嘘をついたことがあるか?」

「大丈夫よ!は強いから!」

「ベッピンさんが戦闘に登場とは結構な度胸じゃねぇか!」

クラウド、ティファ、バレットが次々と口を開く。

「うんっ!!私、頑張るよっ!!!」

はニッコリと微笑むと、腰の剣をスラリと抜いて構えて見せた。






<続く>



=コメント=
はい!第1章!(笑)
やぁっとクラウドと出会ったねv
幼馴染との再会はどうでしたでしょうか?さん(笑)
次は五番魔晄炉に出発ですねぇvv
さてはて、クラウドが落ちそうになっちゃうシーンはどうなるのか!?
次回はエアリスとも出会いそうですね。
では、お楽しみにです!(おい